１１７ 北山side ページ22
いきなりオレが近付いてきて麗華さん、びっくりしてるし。
「ひろみ⋯っ、」
もう無理。
麗華さんを思いっきり抱きしめて
その耳元に顔を埋めて、背中にあたる柔らかい髪の毛をくしゃりと掴む。
何も言わずに麗華さんも腕を回してきてくれて
抱き合ったまんま、どれくらいそうしてただろ？
もう言葉なんていらなかった。
どっちにしても戻れないんだろ？
それなら出来るだけ長くこうしていたい。
オレ、ほんとにこの人を失うのか？
久しぶりに触れ合う
ふわふわで柔らかくていい香りがするこの体が、どうしてオレの為に存在してないんだろう？
・・・ダメじゃん。
ちゃんとしなきゃ⋯
・
「⋯バイバイ、麗華さん。」
抱き合ったまんま自分に言い聞かせる為にそう言って、体を離す。
名残惜しくて麗華さんの髪の毛を掴んだまんまのオレの手が離れたくないって言ってるみたいで⋯
そんな、オレの手を麗華さんの冷たい手で握られる。
「⋯早く。行って？」
さっきの涙目はどこにもなくて
オレの好きだった麗華さんの凛として意思を持った眼差し。
だけど、それはオレに懇願してるようにも見えて⋯
弱い自分をこれ以上見せたくないって麗華さんから言われてるみたいで、そっと自分の手を引くと、
唯一触れてた指先からの麗華さんの体温を無くして一気に体中が冷えた気がしたけど⋯
そのまま目を伏せて立ち上がる。
もう目の前の愛しい人を見られる余裕は無かった。
何も言わずに静かに外へ出るとカウンターに崎本部長の背中が見える。
オレの気配を感じとって振り向いた崎本部長。
「気、済んだか？」
きっと泣き笑いの顔してたと思う。
はい、って短い返事しか出来ないオレにポンポンと何度も肩を叩いてよしよし、とあやされてるみたいだ。
「あとは任せとけ。また近いうち二人で飲もうや。」
そう言い残して麗華さんのいる個室へ姿を消した崎本部長を見送りながら、これで全部終わったんだなってぼんやりと感じた。
・
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Haru(プロフ) - ぴのさん» わざわざこちらにも！ありがとうございます！ほんと、ぴのさんのコメがずっと引っかかっててお陰様で物語のエンドが見えてきました(^^)ガヤさんの気持ちなんて考えもしてなかったので（笑）こちらこそ、ありがとうございます！ (2018年11月20日 10時) (
レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - ありがとうございますm(__)m 私の妄想で…ガヤさん、嫉妬させていただき…なんだか、私も作品に参加できた気持ちで、嬉しいです。毎日 更新が楽しみです。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ぴのさん» ガヤさん、来ましたよぉー！（笑）ガヤさん、今後四角関係参入できるか！？まだわからないですがそちらもハラハラしながら続き見ていただければと思います♪ぴのさんを思い浮かべながらガヤさん嫉妬させてみました（笑） (2018年11月16日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - きたきた〜ガヤさんの、ほどよい嫉妬(>_<) タカシの存在の大きさも、ハラハラです！でも…やっぱり北山君なんですよね。弱気な北山くんに、どう向き合うのか楽しみです。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - kanonさん» 断腸の思いですよ、タカシぃ(TT)タカシが報われるようにしたいんですがまだノープランです（いまだに笑）続きすみません^^;今アップしましたのでまた読んで下さいね♪いつもお忙しい中コメントありがとうございます(^^) (2018年11月15日 14時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haru
| 作成日時：2018年10月1日 13時
