116 北山side ページ21
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「謝んなよ。」
テーブル越しに掴んでる麗華さんの手と反対側の手がオレの手を包み込んだ。
「私、宏光とは別れなきゃいけないってずっと思ってたのに直接言うのが怖くて。勇気でなかったの。だって、ずっと一緒にいたかったから。なのにあんな避けるような事して。だから内田くんにも見つかっちゃうし。宏光は異動になっちゃうし」
全部私のせいだよ、ってオレの手の甲に麗華さんの涙が一粒零れ落ちる。
「私が大人になり切れなかったせいで宏光を追い詰めてごめん。」
「⋯こっちは本気で恋愛してるつもりなのに一人だけ大人になろうとするからそんな事になんだろ?」
「ずっと宏光とは軽い関係でいたかったんだよ。それなのにいつの間にかハマってて自分の事、コントロール出来なかった。」
自分の弱みばっかを喋ってる麗華さんが新鮮で
しかもそれはオレの事がどれだけ好きだったかってことばっかで、、
別れ話をしてる今でもまだオレは麗華さんの知らない所、いっぱいあんだな、って。
まだまだオレの知らない麗華さんをこれから先も見て行きたいって思っちゃうじゃん。
・・・ほら。
やっぱりこんな気持ちになるだろ?
本気で終わりなんだよな?オレ達⋯
こんな、未練たらしい自分に嫌気がさすわ⋯
しばらく手を握り合ったまま、
お互い何も言えずに見つめ合う。
宏光?って、意を決したように麗華さんが息を吐いた。
「私にとっての、最後の恋愛の相手でいてくれてありがと。」
最後の恋だよ、きっと、って。
・・・そんな事言う?
それならオレだって、麗華さんが最後の相手であって欲しいって思うよ。
それなのに麗華さんはなんて事ないように
オレの気持ちなんて汲みもしないで当たり前のように言うんだ。
「宏光はまだまだでしょ?素敵な恋愛、たくさんして?」
ほんとは嫌だけどね?って泣き笑いで少し悪い目をして
いたずらっぽい表情を見せる麗華さんに
苦笑いとも落胆とも、とれるような態度しか出せない。
切り替えはえーよ。
やっぱり女の人には叶わねーな。
いつまでも引き摺るのは男の悪い性だよ。
悔しいわ。マジで。
オレは気付いたら立ち上がって座ってる麗華さんの隣りに座り込んでた。
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Haru(プロフ) - ぴのさん» わざわざこちらにも!ありがとうございます!ほんと、ぴのさんのコメがずっと引っかかっててお陰様で物語のエンドが見えてきました(^^)ガヤさんの気持ちなんて考えもしてなかったので(笑)こちらこそ、ありがとうございます! (2018年11月20日 10時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - ありがとうございますm(__)m 私の妄想で…ガヤさん、嫉妬させていただき…なんだか、私も作品に参加できた気持ちで、嬉しいです。毎日 更新が楽しみです。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ぴのさん» ガヤさん、来ましたよぉー!(笑)ガヤさん、今後四角関係参入できるか!?まだわからないですがそちらもハラハラしながら続き見ていただければと思います♪ぴのさんを思い浮かべながらガヤさん嫉妬させてみました(笑) (2018年11月16日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - きたきた〜ガヤさんの、ほどよい嫉妬(>_<) タカシの存在の大きさも、ハラハラです!でも…やっぱり北山君なんですよね。弱気な北山くんに、どう向き合うのか楽しみです。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - kanonさん» 断腸の思いですよ、タカシぃ(TT)タカシが報われるようにしたいんですがまだノープランです(いまだに笑)続きすみません^^;今アップしましたのでまた読んで下さいね♪いつもお忙しい中コメントありがとうございます(^^) (2018年11月15日 14時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年10月1日 13時