8.『敵が見せつけるように夢主の手の甲に口付けた時の彼ら』【F.P】&【麻天狼】ver ページ8
【F.P】ver
飴村乱数
「えー?なーんだ!…手加減してやろうと思った俺が馬鹿だった」
敵の唇が彼女の手の甲に触れた瞬間、静かな張り詰めた空気に響く砕ける音。肩を揺らして驚いた男が視線を彼に向ければ、咥えていた筈の飴は粉々に砕け散り地面に落ちていた。大好きな飴を踏み潰し、怖い程の笑みを浮かべた彼は甘さなど持ち合わせていない。
夢野幻太郎
「姫君にそうしていいのは小生だけですので、あぁ汚らしい汚らしい」
気付いた時にはもう手が出ていた、その言葉が一番正しいだろう。鋭く弾けるような音と共に男が地面に尻餅をつき、驚く彼女の手を自身のハンカチで拭っていた。男を見下ろす視線はまさに汚物でも見るかの様に冷たく、形だけ描いた笑みは絶対零度。
有栖川帝統
「ンな事してもお前に幸運の女神の力は得られねえよ。賭けるまでもねぇ、お前は負けんだ」
静かに眼前の敵を見据える彼の視線は、命を賭ける勝負をしている時よりも射抜くように冷たい。自分は勝つと言い切った彼に、敵は腹を抱えて笑い挑発するように嘲る。だが、それを物ともせずにマイクを構えた彼は彼女に向かって強い視線を向けた。
【麻天狼】ver
神宮寺寂雷
「…笑えない冗談だ。本当に、少しもね」
すらりと伸びた長身の彼、一陣の風が吹き長い髪が靡いた隙間に見えた視線は凍てつく氷のようで。思わず身震いすれば、細められた視線は敵に向けられ微塵の慈悲すら感じない。まさに蛇に睨まれた蛙如く眼前の敵が動く事が出来ずに、ただ毒牙に為す術なく侵される事しか出来ない。
伊奘冉一二三
「お前みたいな奴が俺のプリンセスに口付けしていいと思ってんのかよ」
彼女を守る為に着てきたスーツがはためき、特徴ある香水の香りが風に乗って鼻を掠める。鋭く刺すような香りと共に彼はマイクを持ち直して、何よりも大切で愛しい人に触れた罰を与える為に。自分ですら触れるのはおろか、話す事すら出来なかった苦しい思い出を糧にして怒りのまま声を上げた。
観音坂独歩
「……けんな…ざけ…な……ふざけてんじゃねぇぞクソ野郎がァ!!!!」
毎日深夜までの勤務と怒鳴る上司の相手等、心身ともに疲弊していた彼はもはや理性など無い。唯一の癒し、憩いの場、心が休まる恋人に触れられた。いや、口付けをされたのだ。例えそれが手の甲だろうと彼には関係等ない。瞳孔の開いた瞳で睨みつけ、叫ぶように暴言のリリックをぶつけるだろう。
月華姫さん、リクエストありがとうございました。
9.『ヒプノシスマイクを不良達から身を呈して守った時の彼ら』【B.B】&【M.T.C】ver→←7.『敵が見せつけるように夢主の手の甲に口付けた時の彼ら』【B.B】&【M.T.C】ver
545人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるぴす(プロフ) - 私も飼っている猫が具合悪い時にとても心配でしたのでお気持ち察します。猫ちゃんの看病、無理のないほどに頑張ってくださいね。 (2019年6月3日 20時) (レス) id: 33a3e8dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
曼珠沙華 - 猫ちゃんの看病頑張って下さい。 (2019年4月17日 22時) (レス) id: efdd7a4b53 (このIDを非表示/違反報告)
ノ(プロフ) - いつも拝見させていただいています。猫さんのご病気が完治することを祈ってます。 (2019年4月16日 23時) (レス) id: ac3347765c (このIDを非表示/違反報告)
五月雨 /(プロフ) - 続編スタート 、おめでとうございます !! タイトル見てもしかして 、と思えば予想通りで驚きと共に嬉しさが込み上げてました 。更新頑張って下さい !! (2019年4月6日 1時) (レス) id: 49075ec576 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - リクエストを受け付けてくれてありがとうございます! とても感動しました! (2019年4月5日 23時) (レス) id: 330d4f149f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:けしん | 作成日時:2019年3月27日 5時