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1話 「苗字が難しすぎやしませんか?」 ページ3

『ぐっ……頭いてぇ』

不思議な感覚で意識を失って、それから……。

『ッ!!!』

がばっと上体を起こし、周囲を警戒する。
バカデカいベッドに寝ていた俺。天井には豪華な照明。テレビ、電話、エアコンに……これはどう考えても間違いない。

『世界が違う……?』

身じろぎしたときに足に何かがこつんと当たった。目線を向けると木刀。
スッ、と血の気が引きつつも「銀」と呼べばしゅるんとウサギの姿に変身した。

『よかった……変なところないか?』
「キュイ!」

右前足を挙げて一鳴き。問題はなさそうだ。
恐らく、俺より先に意識を取り戻したものの、見慣れぬ状況だったため木刀の姿で待っていたのだろう。流石俺の相棒。
そしてその相棒だが、ちょっと待ってろとでもいうようにベッドヘッドの方へ。そして口で巾着袋のようなものを咥えて引きずりながら戻ってきた。

『さんきゅ……中には』

開ければ手紙のようなものと、指輪、ブレスレット、見たところアンクレット、そしてペンダントが入っていた。とりあえず謎のアクセサリー類は置いといて、中の手紙から確認する。


―Aへ
 いきなりの事で驚いていると思うけど、そこは君が生まれた世界でもなければ、今まで過ごしていた所でもない。ついでに言うと、こっちの意思じゃない。そのせいで全然フォローとかもできてない状況だし、何なら調べてる最中。
 戻り方わかったらすぐ戻してあげるから、とりあえず頑張って。中に入ってるアクセサリー類は一応お守りアイテムだと思って。能力とかもどうなってるかホントにわかんない状況だから、いろいろ確認しながら…気を付けてね。じゃ、ごめんね。 ハザマより−


『………』
「キュイ?」
『あぁ、大丈夫だ』

難しい顔をしていたのだろう、心配そうに相棒が鳴いた。
優しい彼の頭を人差し指で撫でながらどうしたもんかと思案する。
銀の能力は使えているようだが、俺の能力は怪しい。試しに便利空間を出そうとしても出ない。これは困った……単純な体術とかも落ちてんじゃねえか?
とりあえず、巾着に入っていたアクセサリー類を身に着けてため息を落としたところで部屋の扉が開いた。

「気が付いたか」
『………誰だ』
「私は勘解由小路無花果だ」
『か、か?……無花果さんね』

もうね、苗字は諦めたよ。だってなんて言ったかわかんなかった。きっと俺は悪くない。しいて言うならば俺の脳みそのおつむが悪い。

『貴様は?』
「……歌龍Aです」

2話 「把握をしましょう色々と」→←(とある世界での)設定



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カルラ - ゴファッ!! なんだこれは、、、、、 めっちゃいい! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;`)これからもよろしくお願いします! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにwありがとうございますw (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作戦隊長 | 作者ホームページ:tp://  
作成日時:2019年1月6日 21時

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