2話 「把握をしましょう色々と」 ページ4
来い、と無花果さんに連れられて部屋から出た。銀は俺の肩の上である。
小さい声で「いつでも変身できるようにしといてくれ」と言ったら、右前足を挙げて小さく鳴いていた。この状況で頼れるのは自分と相棒だけ……ってまあ、結構いつもの事か。
「入れ」
有無を言わさない命令口調に眉を顰めながらドアを潜った。
中には複数人の女性と……たくさんの機械類。女性たちは無花果さんを見ると一斉に頭を下げている。そして寄ってくる二人の女性。手には……病院に入院している人が着るような服と、籠。
「着替えろ」
『は?』
「服を脱いでそれに着替えろと言っている」
『あっハイ』
少し離れたところに行き、服を着替える。下着まではぎ取られ、マジで病院服一枚である。え、なんでこんな紙防御力なんですか?おかしい、おかしいよね。
銀もこの空間が気に食わないのかきょろきょろと落ち着かない様子だ。
アクセサリー類も取れと言われ自分の私物はヘアゴムくらいという何とも居心地の悪い状態で無花果さんの元に戻ると、さも当然というように言われる。
「さて、隈なく検査させてもらうぞ」
『は?』
いや、なんで世界観把握する前に自分の健康状態把握しなきゃなんねえんだよ。
というツッコミは心の中だけに留めておいた。
感覚では既に三時間後くらい。最初はなんか体にいっぱい繋がれて検査されたり、よくわからん装置に入れられたりだったが、段々と上体起こしやら握力検査、反復横跳びにシャトルランなど「え、体力テスト?高校生の?」みたいなのになってきて変に不安になってきた。勿論回数や数値はえげつなく、そのたびに記録取っている女の人びっくりしてたけど。そして無花果さんはなんか満足げな顔してましたけど。あ、シャトルランは途中でやめさせてくれた。「あー、もういいです。みたいな感じで」
いやマジで何なのコレ。
「次はこれだ」
『ぱ、パンチングマシーンっすか』
もはや楽しんでねえか?そんな感じのノリでそれの前に案内された時は白目向きそうになった。つか、いい加減この世界の説明をしてほしいんですけども。説明ないなら自分で把握しに行くんで、自由を与えてもらっていいですかね。
おもっくそ殴ったパンチングマシーンはぶっ壊れ、記録をしていた女性が引いていたが俺にはどうすることもできない。苦笑いで誤魔化しておいた。因みに、銀は俺の頭の上である。「お前何やってんの?」っていう一鳴きを頂いた。泣けるぜ。
3話 「緊急事態は突然だから緊急っていうんです」→←1話 「苗字が難しすぎやしませんか?」
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カルラ - ゴファッ!! なんだこれは、、、、、 めっちゃいい! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;`)これからもよろしくお願いします! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにwありがとうございますw (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)
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