白無垢姿 ページ36
隣にはいつもと違う、きっちりとした、なんていうか、いつもよりものすごくかっこよく見える杏寿郎さんがいる。
私も小さい頃から夢だった、綺麗な白無垢を見に纏い杏寿郎さんの隣に座っている。
「...む?どうしたA」
『えっ、いや...なんでもないです!』
目が自然と杏寿郎さんを見つめてしまう。
かっこよくて、この人が本当に自分の旦那さんとなる人なのか...みたいな。
「Aが綺麗すぎる。本当に俺の妻となるのかと...夢みたいだ。」
『うぅ...そんな言わないでください、照れます』
「照れているAも愛いな!顔、見せてくれないだろうか?」
自分から杏寿郎さんを見てしまうくせに目が合うと顔を逸らしてしまう。
「むぅ...どうかしたか?」
『いやっ...その...ほら、杏寿郎さんがかっこよすぎて.........うぅう...もうばか!』
「よもや、最後の"ばか"で照れが覚めたぞ」
そんなこと言いながら悪戯っぽく笑う杏寿郎さん、照れが覚めたといいながら耳まで赤くなっているのが笑えてしまう
「Aは酒は飲まないのか?」
『お酒弱いので...』
「そうなのか!Aについてまた新しいことを知ったな!」
そう言いながらちょこちょこお酒を飲む杏寿郎さん。
お酒を飲んでいる姿がどことなく色っぽくて、なぜか目が離せない。
『杏寿郎さん、こんな私を妻にしてくださって、本当にありがとうございます』
「よもや、急にどうした?」
『杏寿郎さんがかっこいいから...余計感謝っていうか...』
「そうか、それは嬉しいな!俺こそありがとう。絶対に後悔はさせない。幸せにすると誓おう!」
そんな会話をしていると、みんなの方がこちらを向いて何かを期待するような目をしていた
「...接吻だ、接吻」
『お、お父さん!?』
お父さんが小声で接吻なんて言っている。
その横で宇髄さんが首をぶんぶんと縦に振る。
そういやお父さん、付き合い始めた時も接吻しろとか言ってたよな。
そんなこと考えていると、杏寿郎さんと目が合うように顎をクイッとされた。
気づくと杏寿郎さんの凛々しい顔は数センチ程度の距離にあり、キリッと釣り上がる大きな目が私の目を見据えていた。
「...いいか?」
『...はい』
返事をするとゆっくりと私の唇に、杏寿郎さんの柔らかく暖かい唇が触れた。
前よりも長い接吻だった。
目を開くと杏寿郎さんの閉じた目がすぐそこにあり、私もまた目を瞑る。
周りの囃し立てる声も聞こえないくらいに
幸せな数十秒だった。
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柑橘蛍(プロフ) - この煉獄さんもいい… (2021年2月23日 15時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ka:ran | 作成日時:2020年12月16日 23時