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「…んで?独歩が言うにはこのちっせぇ子は後輩の…、…なんだっけか?」
「…A、だ。」
「そうそう!A、くん?…あ、よろ!」
危険だから、と金髪の……一二三さんの膝の上に乗せられている。
…まず、危険も何も、上手く状況が理解できない。
朝起きて隣に先輩が居る時点で少し……かなり、心臓がバクバクしたと言うのに、
夢にしては感覚がリアルすぎて気持ち悪いぐらいで。
机の上に並んだ美味しそうな朝ご飯を、向かいに座っている観音坂先輩は頬張っていて。
先輩って私生活はこんな感じなんだ、ちょっぴり意外。……同居人はかなり驚いたけど、いい人そう。
……なんか、羨ましい、…先輩は朝からこんな……
「……あ、Aは何か覚えてないのか?同じ会社で働いてただろ、…そうだよな?」
じ、と縋る様な視線で見詰められる。
少し意地悪しちゃおうか、と俺の悪戯心が疼いた。…朝ご飯、羨ましいし。困ってる先輩、かわいいし。
『おれ、おにいさんのこと、し、しらないです…。』
笑わないように、と俯きながら小声で零すと、頭上で苦そうな声が響く。
「うげえ……やっぱり独歩ちんの頭がヤバいんじゃねえの…?」
「お、俺はだな…!折角後輩を助けたっていうのに………また俺は変な勘違いをされて…俺は俺は俺は……」
『ひ、ひふみ?さん、』
露骨に落ち込んだ先輩が少し心配になったので、く、と上を向いて一二三さんを頼った。
「……お、どしたん?もしかしてお腹ペコリーヌな感じ?あ、ひふみお兄さんがあ〜んしたげよっか!」
まだほんのり温かい卵焼きを唇につん、と当てられる。
きょとりと見詰めると にひ、と眩しい笑みを浮かべて見詰め返された。
『まぶしい、です、ひふ…み、さん?』
ダボダボの白い服の袖がカーテン代わり、一口齧った卵焼きの甘い味が、やけに美味しく感じた。
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木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2020年4月27日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - はじめまして!クレハと申します!面白い作品ありがとうございます!さっそくなのですが、リクエストしてもいいですか?違法マイクで夢主君が幼児化するお話が見たいです!出来れば摩天狼でお願いします!! (2020年4月23日 22時) (レス) id: 7636715740 (このIDを非表示/違反報告)
蛇使い座(プロフ) - きゃあぁぁ!すごい一郎君と独歩君が可愛く見える……!!凄く面白いです!これからも頑張ってください! (2020年2月17日 18時) (レス) id: 760b5f712c (このIDを非表示/違反報告)
ヤト - 続きが気になります、更新楽しみにしてます。 (2020年1月8日 17時) (レス) id: bd201871c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢鳩 | 作成日時:2020年1月7日 1時