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『……っ、は』
突然意識が浮上し重い瞼を開けると、そこは暗い空間でもヴンダー内でもなく、改・陸号機の操縦席だった。
機内は煩く警報音が鳴り響いており、外で起こる非常事態を私に知らせていた。
汗でへばりつくプラグスーツに不快感を覚えながら、まだ少し痛む頭を押さえる。
…今見たのは夢ではない。6年前、私が記憶を失った日にこの目で見た現実。
あの怒りも、悲しみも、父さんのことも、そして椿のことも全て。
それを6年の歳月を経て、ようやく私は思い出した。
…いや、思い出させられた、のほうが正しい。
あの時の副司令の言葉が本当なのなら、私は何らかの方法で記憶を封印された。
そして”しかるべき時”が訪れたことで、こうやって私は記憶を取り戻したのだろう。
『……まるで、掌の上で転がされているみたい』
じっくりとあの時のことを一つ一つ思い出したいが、それは目の前のことを片付けてからだ。
私は顔を上げ辺りを見渡す。
ドグマ最深部を満たす赤い海の上には、同じくドグマの壁を形成していた無数のインフィニティの成り損ないが積みあがっている。
神の首を求めたなり損ないは、罰を受けて地へと落ちたのだ。
頭上に視線を移すとそこはぽっかりと大きな穴が開いており、その先に真っ赤な空を確認することがでる。
はっきりと今ならわかる。現在何が起こっているのか、これから何が起こるのか。
20年以上も前の記憶は、鮮明に脳内に思い起こされる。
フォースインパクト、13号機の覚醒、ガフの扉、DSSチョーカー…そして、
『……カヲル』
美しい銀色の友人は、その身をもって愛する人を庇い命を落とすのだ。
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＊ ふぅ夜 ＊(プロフ) - 思わず一気読みしてしまいました。主人公の心情やカヲルくんとの絡みに内心ドキドキしていますが、これからどうなるのか楽しみにしています！ (2023年3月14日 14時) (
レス) id: 57777bfa3c (このIDを非表示/違反報告)
たったかたー。 - 好きです!!更新がんばってください!! (2022年2月11日 13時) (レス) @page22 id: 6472def61e (このIDを非表示/違反報告)
如月真(プロフ) - おわぁぁぁ！！面白いですぅぅぅ！！ (2021年8月17日 22時) (レス) id: 57a41376e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2021年7月11日 18時
