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「誰だあいつ！？」
「あんな奴、チームにいたか？」
と、その時ギャラリーが騒めきだす。
そちらに目をやるとそこには制服姿ではなく、目金が脱ぎ捨てた10番のユニフォームを着た豪炎寺君がグラウンドに歩いてきていた。
「おや…？彼はもしや、昨年のフットボールフロンティアで一年生ながらその強烈なシュートで一躍ヒーローとなった豪炎寺修也！」
サッカーはもうやらない、と彼は言っていた。
固い意志だった。
それさえも変えてしまったのは、
『……守』
守の、諦めない姿だった。
「待ちなさい！君はうちのサッカー部では…」
「いいですよ、俺達は」
鬼道君は、豪炎寺君を見て笑っていた。やはり、目的は豪炎寺君で間違いなさそうだ。
『一朗太、大丈夫！？』
「あ、あぁ…」
帝国の強烈な一撃を食らった一朗太に手を貸し、立ち上がらせる。
今まで倒れ伏せていた皆も、豪炎寺という希望がやってきたことにより、もう一度立ち上がった。
『最後まで諦めない、だよね守』
・
「さあ新たな10番豪炎寺を加え、試合再開です！」
ﾋﾟｰｯ!!
「「「デス・ゾーン！！」」」
再開早々、帝国学園はあの強烈なシュートを再び撃ってきた。
それと同時に、豪炎寺君は何故か帝国サイドへと上がっていった。
「何故か豪炎寺、円堂を全くフォローせず帝国ゴールに上がっていく！
目金と同じ、敵前逃亡か！？」
守は、デスゾーンを止められないのに…どうして…？
豪炎寺君は守に目もくれず、ただただ真っすぐ帝国ゴールへ走っていく。
「あいつは俺を信じてるんだ…俺が止めるって…！これを止めた俺から、必ずパスが来ると信じて！」
すると守は黄色いオーラのようなものを纏い、
「ゴッドハンド！！」
巨大な手で、帝国のシュートを止めた。
「止めたぁーっ！遂に帝国のシュートを止めた！！」
『あの技…！』
守のおじいさんの必殺技、ゴッドハンドだ。
ずっと練習していたあのノートに書かれていた技を、守は遂に完成させたんだ…！
「…へぇ、これは面白い」
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作者名：白 | 作成日時：2021年11月7日 20時
