サッカーオタク、日本一を目指します【イナイレ】 (ページ21)

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Aside

ゴールを奪ったことで何とか一点を返せた私達。
ここから私達の反撃が！…と、まあそう上手くいくわけもなく。

私達を待ち受けていたのは、前半戦よりも激しい猛攻…というより、蹂躙だった。

『行かせない！』

「そんなにボールが欲しいんなら、くれてやるよ！」
　
『な…がはっ…！』

「A！」

思い切りボールを腹部へ蹴られ、力が入らず地面へ膝をつく。

「百烈ショット！」

「サイクロン！」
　
　
そして仲間が、一人一人と倒れていく。
その様子はサッカーなどではなく、もはやただの暴力のようだった。

くっそ…これが、本当にあの帝国のサッカーだっていうのかよ…。

奴らは私達を笑っている。
惨めに地面に倒れ伏せる私達を見て嗤っている。

「出て来いよ。出て来い…さもなくばあの最後の一人を」

「叩きのめす！！！」

帝国学園はそれを皮切りに、ボールを守に向かって当て始めた。
…それは決してゴールを奪うためなんかじゃない。

守を、潰す為だけのサッカーだった。

「ふざけるな…こんなの…こんなの、サッカーじゃねぇっ！！」

『一朗太！』

身を挺して守を庇うように、一朗太が帝国ボールを弾いた。
だがその威力に押し負け彼自身がゴールへ叩きつけられる。

「っ…風丸。お前の気持ち、受け止めたぜ。絶対に、このゴールは守ってみせる！！」

だが、帝国の強烈なシュートは止められず追加点。
得点板は1-19という無慈悲な現実を私達に突きつけた。

「嫌だ…もうこんなの、嫌だぁっ！！」

最後に立っていたメガネはグラウンドから逃亡し、ついに私達は誰一人として立ち上がれない状況だった。

帝国は私達を無様だと嘲笑った。

もう勝つことは不可能だ。
ボロボロに打ちのめされ、誰一人として立ち上がれない…もう、私達は…

「――まだだ！」

『！』

ここにいる誰しもが、私達のの敗北を思ったはずだ。
こんな状況で、勝てるはずがない。

それでも、

「まだ終わってねぇ…まだ、終わってねぇぞ！！！」

たった一人、諦めない者が一人。

守…君は、諦めないんだね。
昔からそうだった。どんなことにでも諦めず、真っすぐ立ち向かっていく。

　

そんな彼の姿に、勝利の女神は微笑んだ。