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第44話 ページ44

「紫原!黄瀬!」


教室に緑間くんの声が響き渡った。


「どーしたのーミドちん、大きな声出してさー」
『なんかあったんスか?』
「今日のおは朝の星座占いのラッキーアイテムがないのだよ!!」


ラッキーアイテム···?
あぁ、いつも片手に持ってるアイテムのことかな?


『その、ラッキーアイテムって何なんスか?』
「今日の蟹座のラッキーアイテムは、ロケットペンダントなのだよ」



···ロケットペンダントなら、


「黄瀬ちん持ってるよー」
「何!?本当か、黄瀬!!」
『んー確かに持ってるっスけど···』


中の写真がなぁ···。


『貸してもいいっスけど、中の写真だけは絶対に見ないで欲しいっス』
「分かったのだよ」


俺のロケットペンダントを首から下げて、緑間くんは教室から去ってった。


「言い出した俺が言うのもどーかと思うけど、良かったのー?ミドちんに貸してー」
『んー···』
「いつも大事そうにしてるよねー」
『まぁ、中の写真さえ見られなかったらそれでいいっスよ』


相手は緑間くんだし、中の写真を勝手に見ることはないと思うけど。
見られたらどうしよう?


「でもさー、ミドちんって峰ちんと同じクラスだよー」


···ヤバいかも。
でも貸しちゃったし、今更返せなんて言えないもんなぁ···。


『頼んだっスよ···緑間っちぃ···』





「黄瀬ーよそ見するなー」
『え、あ、はい!スンマセン!!』


ロケットペンダントが心配で授業に集中出来ない。
先生に注意されたのこれで、何回目だろう···?


「黄瀬ちん、何回注意されてんのー?」


紫原くんが後ろから小声で声をかけてきた。


『なんか、ロケットペンダントがないと落ち着かないんスよ···』
「貸さなきゃ良かったじゃーん」
『うぅ···でも、貸しちゃったんスよねぇ··』
「馬鹿だねぇー」


あのロケットペンダントは、モデルを始めた頃に自分で作り、今まで肌身離さずずっと持っていたものだ。
ママとの大切な思い出が詰まったアルバムの中から、気に入った写真を2枚選んで作ったものだ。
1枚目は、ママが笑ってピースしている写真。
2枚目は、ママと兄ちゃん·姉ちゃん、そして俺の何気ない日常が映った写真だ。



何にも代えがたいものをなんで貸しちゃったかなぁ。



···早く、俺の所に返ってこないかなぁ。

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名無し81795号(プロフ) - 黒子も推しの子も好きなのでめちゃくちゃ面白いです‼️ (1月10日 12時) (レス) id: ee075f74a4 (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - 好き!!!!続きを待ってます!!!!! (1月7日 13時) (レス) @page44 id: 9c60d68ce5 (このIDを非表示/違反報告)
アムス - 遂に、推しの子と黒バスがクロスオーバー°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°楽しみにしています!! (6月26日 21時) (レス) @page2 id: 9e21e9a7d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うよ | 作成日時:2023年6月26日 19時

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