キセリョはアイの子!![黒バス][推しの子]

第16話 ページ17

「えっ！お兄ちゃんドラマに出るの!?」
『えぇ!?』
「なんで言うんだよ」
「だって貴方、自分から言わないでしょ？所属タレントの広報活動は事務所の仕事よ」


兄ちゃんは自分の話をあまりしたがらない。
だから、たまに爆弾を落とされるときがある。


『なんて作品に出るの？』
「[今日は甘口で]っていう作品」
「少女漫画原作ね」


そういえば、学校の女の子が騒いでたなぁ。


「[今日あま]ってアクアの部屋にあるやつ!?」
「あれおもしろかった！」
「勝手に読むな」
『えー、俺も読みたい···』
『兄ちゃん、借りてもいい？』
「いいけど···原作読んだ後に、ドラマは見ない方がいい」
『···わかった』


兄ちゃんの反応を見ると、ドラマの出来、最悪なのかもしれないなぁ。


「最近出来たネットTV局制作のドラマで全6話、もう3話まで放送済み」
「メインの役者も新人が多いし、規模としては少し小さめの作品ね」


メインの役者が新人ってことは、ドラマをドラマと見てない感じかな。
あくまで、役者の宣伝。
出来悪そうだなこのドラマ···。


「アクアの出番は最終話に出てくる悪役みたいよ」
「向いてるじゃん、悪い顔してるもんね」
「うるせぇな」


姉ちゃん、超失礼なこと言うじゃん。


「ネット局のドラマだから、今観れるわよ」
「観る観る!トワも一緒に観よう？」
『···うん』


出来が悪いと分かってるドラマをわざわざ見たくはないが、姉ちゃんに誘われたんだし、しょうがないか。




画面に天才子役と呼ばれた有馬かなが出てくる。
え？有馬さんがヒロインなの!?
嘘!?マジで!?


『ちょっと兄ちゃん!!有馬さんからサイン貰ってきてよ!!』
「は？お前、有馬のファンなの？」
『ファンではないけど、すっごく尊敬してる人なの!!』
「···なんで？」
『幼いときから、あの芸能界(せかい)にいたんだよ!?メンタル、スゴすぎるでしょ!?だから、凄い尊敬してるの！』
「···わかった」
『本当??嘘じゃない？ちゃんとサイン貰ってきてね!!』


やべぇ!
超楽しみなんですけど!!
有馬さんのサイン!

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