7話 ページ8
・
馬「Aさん、こちらの書類は全て終わりました。」
『あ、うん。ありがとう。』
部下から書類を受け取り、ざっと目を通す。
だがその裏では、什造に言われた言葉でいっぱいだった。
実力だけあって守れもしない。
さっさとやめた方がいい。
『(ははっ、確かにそうかもね…)』
あの時什造が来なかったら2人は確実に殺されていた。
なぜあの時さっさと殺さなかったのだろう?
周りに人がいなかったから?油断してたから?
馬「…何かお悩みですか?」
馬場は少し心配そうにAを見た。
どこか虚ろな目をしていたAは顔を上げ、目を合わせた。
『…いや、何も無いよ。』
馬「!…そうですか。」
部屋は一気に沈黙が流れた。
そんな中、誰かがノックする音が響いた。
『どうぞ。』
ガチャっと開いたドアから入ってきたのは
透「久しぶりです、Aさん。」
『え!?と、透!?』
予想外すぎる人物にAは思わず書類を落としてしまった。
Aと透はまだCCGだった頃に仲良くなかった。
TSCをやめ、地方を渡る彼女がここへ来ることは滅多にない。
『どうしてここに、あ、馬場、お茶をお願い!』
馬「かしこまりました。」
『久しぶりだね、こっちに座って!』
透「ふふ、失礼します。」
いつもの大人びた雰囲気ではなく、子供のようにはしゃぐその姿に透は思わず笑を零した。
馬場も普段の姿と違う上司に少し目を見開いていた。
透「突然訪ねてきてすみません。忙しかったですか?」
『ううん、そんなことないよ!来てくれて嬉しい。ましかして休み?』
透「よかったです!はい、1週間の休暇を貰ったので少し顔を出そうと。Aさんにも会いたかったですし…///」
恥ずかしそうにはにかむ透はかっこよくて、それでいてとても可愛かった。
『ふふ、嬉しい。私も会いたかったよ。ありがとう。』ニコッ
2人が楽しそうに談話している中、馬場は静かにお茶を出した。
『ありがとう、馬場。書類はもう終わったから今日は休みな。お疲れ様。』
馬「はい、失礼します。」
ビシッとお辞儀をし、馬場は部屋を出た。
71人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めい(プロフ) - Reolさん» 読んでいただきありがとうございますっ!更新が先延ばしになってしまい申し訳ないです…汗。更新再開する時もまたどうか宜しくお願いします!m(*_ _)m (2020年11月9日 18時) (レス) id: d72df6db91 (このIDを非表示/違反報告)
Reol - めちゃめちゃ素敵な話です...こういう長編って苦手なんですが、面白すぎてスラスラ読めました!応援してます! (2020年10月23日 16時) (レス) id: 9bd448bba3 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - pookyさん» 読んでいただきありがとうございます!!嬉しいですっ、更新頑張ります!!(`・ω・´)ゝ (2020年10月6日 16時) (レス) id: d72df6db91 (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 今まで、夢主に、冷たい態度を取る、什造を見たことないのでとても楽しく見せてもらっています!!更新頑張ってください!! (2020年10月5日 22時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ