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すっかり浸食されていた自分の常識だったが、今更変えることもないと完結にした。
釘崎は、悠仁から私に視線を変え、悠仁に向けた顔をそのまま私に向ける。
「どうりで、Aもちょっとズレてると思ったわ!」
「Aがあ? 何処が」
ムッとしていた悠仁が、私の名を聞いて、不機嫌な気持ちを隠さずに、釘崎に問い詰めた。
「発言がたまにズレてる」
「これも同感」
(え……伏黒さんまで!?)
これはまずい。 悠仁が特質していて、凄いことが露見されることは問題ない。 実際、好き嫌いせずに食することは良いことだ。 変な物を食べても、悠仁の肉体は、それに耐えうる程の強さを持っている。 私にとっては、誇らしいことに変わりない。
(だけど、私は違う)
発言がズレているなんて、傍に居たら悠仁に悪影響を及ぼす。 悠仁は人が良いから、気にはしないだろう。 しかし、私が嫌だ。
完結にしたものを、急いでもう一度引っ張り出しては、どう対策をしようかと、固く目を閉じながら、頭を悩ませた。 そうして浮かんだものは――
「悠仁、大丈夫。 私も指を食べる」
「……ん?」
悠仁がワンテンポ遅れて、うわずった声を上げた。 加えて数回瞬きし、私を凝視している。
「私も強くなれば、問題は解決。 悠仁に恥は掻かせない。 一飲みは……危ないから、爪は少し切るけれど」
(大丈夫。 目を瞑る前に、かりんとうだと思えば……)
「いや、不味いから止めろ」
「大丈夫、心配しないで」
「話聞けって」
「大丈夫、家族だもの」
「危ねーから」
お互い、言葉のボールを投げては一方通行を繰り返す。
悠仁は私の肩を掴み、軽く揺さぶった後、片手で両頬をむにゅっと摘む。 そして、力を緩め、加えての往復作業に、私は内心 ? で埋め尽くされていた。
されるがままの状態でいたら、観賞していた先生が悠仁の肩をポンポンと叩いた。
「Aの肌、触り心地いいよね」
先の発言で私は目にしてしまった。 ……伏黒と釘崎が、先生に軽蔑の視線を向けたのを。
「とまぁ、それは置いといて……君達がどこまでできるか知りたい。 ま、実地試験みたいなもんだね。 野薔薇、悠仁、それからA。 3人で建物内の呪いを払ってきてくれ」
不満げな釘崎と、呪いを祓える手段が皆無だと主張する悠仁は、宿儺の指を飲み込んだ為、体内に呪力が流れていると知らされる。
先生の懐から二つの包みが現れ、一つを悠仁に、もう一方を私に手渡した。
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クロワッサン(プロフ) - 猫助さん» たいっへん長らくお待たせいたしました(-_-;) コメントありがとうございます。 最新話更新いたしましたのでぐっすり眠れますね!! (2021年4月28日 3時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
猫助(プロフ) - 先が気になって気になって、夜しか眠れません…作者様、続きを…続きを…!(密かに応援しています。更新、ゆっくりお待ちしています!) (2021年2月27日 8時) (レス) id: b4292b3d94 (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - 人形師さん» コメント遅ればせながらありがとうございます。 続きをお待ちいただいてありがたいです ^^) 嬉しいお言葉、ありがとうございます。 (2021年1月27日 15時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメント遅ればせながらありがとうございます。 先を楽しみにして頂いて嬉しいです(*^^*) 作者かなりマイペースなもので…(^^; 気長にお待ちいただけると幸いです。 (2021年1月27日 15時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります。応援してます!! (2021年1月25日 4時) (レス) id: 0a38f0e1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロワッサン | 作成日時:2020年11月19日 21時