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放課後、オクタヴィネル三人組に見つからないように細心の注意を払いながら帰寮したケイトは、部屋に入ってすぐにベッドへと倒れ込んだ。
｢猫ちゃん、おいで〜｣
｢……みう｣
ベッドに寝転がり、両腕を広げて催促してくる彼の表情に疲労感が滲み出ているのに気が付き、Aはゆっくりとした動作で移動し、安心感のある彼の腕の中に収まる。
くるんと丸まり、尻尾をケイトの指に巻き付けながら、Aは何時になったら元の姿に戻れるのかを考え始めた。
キャスパリーグは厄災を齎す化け猫、謂わば息をしているだけで忌み嫌われる存在である。
別に化物に変化させられようともどうでも良いのだが、彼女的には戻るタイミングというものが重要だと考えていた。
例えば、もしもケイトが授業を受けている最中に元に戻れたとしよう。
机の上に他学年の女子特待生が悠然と座っているというのも大概だろう。
更には猫の姿であったとはいえ、思春期の男子高校生の部屋で過ごしていたと知られればクルーウェルとトレイン、クロウリーからの途轍もなく長い説教が待っているに違いないのだ。
｢あぁ〜……癒された。よし、オレはお風呂に入ってくるから自由に過ごしててね｣
取り敢えず、クロウリーにだけは事情を説明しておこうと言う考えに至ったAは、ケイトが風呂に入りに行ったのを見送ってから学園長室へと移動した。
＊＊＊
｢は……？ あ、貴女、Aさんなんですか！？｣
｢はい｣
ほんやくこんにゃくの様な効果のある魔法をかけられ、人語を話せるようになったAはクロウリーに全てを説明した。
目を見開き、口を開きっぱなしにしている彼に追い討ちをかけるようにして、キャスパリーグについての解説を始める。
｢諸説では、キャスパリーグは手の付けようのない獰猛さを持つ、途轍もなく巨大な化物なのです。何故かは分かりませんが……今は普通の成猫の大きさをしておりますけれど｣
｢因みに自分で大きくなったりは出来るんですか？｣
｢無理ですね。試してみましたが全て失敗に終わりました。魔法は疎か、霊力すら使用不可です。なので、今の私はユウさんよりも弱い存在ですね｣
恋愛か友愛かはさて置き、Aのことを傍らに置きたいと願う者など数知れず。
これまでは、持ち前の身体能力と知能があるから大丈夫だと思っていたのだが、まさかこんなにもか弱い存在になってしまっていたとは。
その発言を聞いて、クロウリーは頭を抱えながら崩れ落ちた。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
