STORY.33 ページ35
林「Aちゃん、大丈夫？」
林檎ちゃんが飲み物を作りながら聞いてくる。
あの後、僕はぐっすりとベッドで寝た。
七海さんはもう一つのベッドで。
どうやらあの部屋が僕がこれから生活する部屋だったらしい。
段ボールが(といっても一つだけ)置いてあり、それを開くと家出した時に持ってきたものがあった。
『大丈夫だよ、心配しないで林檎ちゃん！』
朝起きるともう朝5時で林檎ちゃんが丁度部屋にやってきた。
それで(恐らく)林檎ちゃんの部屋に連れられて今僕はソファーに座っている。
林「本当に？」
作った二つの飲み物をテーブルに置き林檎ちゃんは僕の向かいのソファーに座る。
『ほんと…うだよ』
つっかえながらも少し笑いながら言ってみせる。
林「…無理してるのバレバレよ」
『いたっ』
テーブルから身を乗り出し僕のおでこにデコピンをする。
無理…か…
『無理ってなんだろ…』
おでこを抑えながらそう、小さく呟く。
りんごちゃんが不思議そうに僕を眺める。
『僕さ、無理がなんだかもう分かんないよ。
昨日七海さんにも「無理しないでください」って言われてさ。
小さい頃から本当の自分を押し殺して生きてきて…
最初は僕無理してるな…とは思ったけど段々それが普通になってきて。
感情がなくなったんだよね、一時期』
少し驚きながらも静かに話を聞く林檎ちゃん。
僕は林檎ちゃんが入れてくれた飲み物を少しだけ口に含む。
いい香りと程よい甘さが僕の口に広がる。
カフェオレかな。
『でもね、それを救ってくれたのが日向さんでさ。
ケン王見て今までにない感情が出てきて。
笑ったり泣いたり…ずっと忘れてた行為をあの人が思い出させてくれたの。
それから無理なんて考えなくてさ。
辛くても日向さんのこと思って生きてきた。
だからこれが無理っていうなら日向さんのこと忘れろって言われてるみたいに感じちゃうんだよね』
僕は飲みかけのカフェオレを見つめる。
少しの間静寂が二人を包む。
『ねぇ林檎ちゃん』
林「…なぁに？」
真剣な顔つきな僕と林檎ちゃん。
『あのさ…』
林「…うん」
.
.
.
『緑茶ってないかな？』
林「えっ？
ふふふっあるけど？笑」
林檎ちゃんは笑った。
いや僕結構本気なんだけど。
場を和ませるために言ったんじゃないんだけど。
まあ、結果的に和んだんだったらいいのかな？
結果オーライってことで。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
望藍.(プロフ) - 面白いです！ひとつ指摘いいですか? (2016年1月24日 2時) (
レス) id: 7601a12aed (このIDを非表示/違反報告)
菜央 - ビックリマーク多くてすみません (2015年1月2日 14時) (レス) id: ce2a0228df (このIDを非表示/違反報告)
菜央 - 駄作者なんかじゃないです！私も、翔ちゃん大好きです！！友達希望です！！よろしくお願いします！！これからも頑張ってください！応援してます！！今年もよろしくお願いします！では・・・。 (2015年1月2日 14時) (レス) id: ce2a0228df (このIDを非表示/違反報告)
じぇま(プロフ) - 美風ゆうさん» 初めまして！ありがとうございます；こんな駄作を好きと言っていただけて光栄ですヽ(；▽；)ノ更新頑張らせていただきます！ (2014年11月10日 16時) (レス) id: 3a117caa42 (このIDを非表示/違反報告)
じぇま(プロフ) - 紅さん» こんにちは、ありがとうございます；；そう言っていただけると嬉しい限りです！更新頑張らせていただきます！ヽ(；▽；)ノ (2014年11月10日 16時) (レス) id: 3a117caa42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：じぇま | 作成日時：2014年8月25日 0時
