イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第7巻 (ページ19)

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（２９７）怖がり（？）ページ19

……まただ。屋根から雪が落ちた時も、縮こまってた。

ただの怖がりなのかと思ったけど、どうもおかしい。

円堂「吹雪！大丈夫か？」

吹雪「うん……。ごめんごめん。ちょっと失敗」

心無しか無理に笑うその顔にも違和感があった。

葉月「ねえ、チトセ君。俺と同じコト考えてる？」

チトセ「恐らく、な。大方、何故雪が落ちるだけであんなに怖がるのか。とかそんな類の事だろう？」

カヤ「あぁあ……、2人とも思ってたのかああぁ……オレだけだだと思っててたたああぁ……」

葉月「…………」

チトセ「…………」

「カイロ、いる？」
「もっと着込むか？」

カヤ「今それはあ、いいっててえぇ……」

……こういうのに限って、思わず世話を焼きたくなる。

＊

……数分後、みんなも吹雪と同じくスノーボードの準備にかかった。

目金「こんなのつけるの、初めてなんだけど」

塔子「けっこう似合ってるじゃん！」

土門「どうも～」

春奈「お兄ちゃん、やったことあるの？」

鬼道「まぁ、見てろ。それにしても、いつからこの特訓を？」

吹雪「特訓ってわけじゃないんだ。小さな頃から遊びの中で、自然にね」

そう言う吹雪は、少し寂しそうに目を細めた。

見ている先はゲレンデなのに、違うものを見ているような……。

染岡「なーんだ、結局遊びの延長じゃねーか。俺達雷門イレブンの特訓は遊びとは違う。苦しい特訓を超えて強くなることに意味があるんだ！」

吹雪「んー、やっぱりそういうの疲れるなあ」

染岡「何ィッ？！」

吹雪「同じ力をつけるなら、楽しくやりたいなあ」

一之瀬「一理あるよね」

染岡「なんだよ、一之瀬まで！」

一之瀬「見ろよ、円堂はやる気満々だぜ」

円堂も同様、スノーボードを足に装着して立ち上がった。

全体的に青ばっかで円堂に似合わねーな、うん。

円堂「オレ、スノボやるの初めてなんだ。教えてくれ！」

いつも通り好奇心の強い円堂だ。

……が、立ってる位置が斜面の一角だったため体がゆるゆると傾いていった。

円堂「あ？わ。わあ！止めてくれえぇぇ！」

叫びながら、ゲレンデの1番深い部分ですっ転んで目を回した。

円堂が腰をさすりながら上半身を起こすと、不意に手が差し出される。

円堂「！あぁ。サンキュ、……？」

一瞬吹雪の手かと思ったけど、すぐ強引に引っ張って立ち上げてくれたから、違った。

……そいつは、同じスノーボードを足につけ、青いスポーツサングラスをかけた女の子だった。