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じゅうご ページ16

おかしい。

Aがここ数日姿を現さない。

何処にいるんだろう、と色んな所を回ってみるけどいなくて。

こういう時、嫌われた、だとか嫌な事が浮かんでくる。

嫌だけど、Aの事、見えていたって言っていた兄者に聞くことにしよう。それ以外、悔しいけど出来ることないから



「兄者、A知らない?なんか、最近見ないんだけど…。どこかで見てない?」


「あの嬢ちゃんの事かえ?我輩は知らぬの。」


「ちっ…使えない」


「えぇ!?凛月や、舌打ちとは酷いではないか!」


そう言っておいおいと泣き出す兄者。

何か…何か、少しでも知っているかと思ったけど。

一切知らないみたい、こういう時くらい役に立っても良いと思うけど。



「そうじゃ、あの病室に行ってみたらどうかの?」


「…あ」



その考えはなかった。

何せ、幽霊と話しているものだと思っていたから、いきなりすっと入ってこないものだ。

第1でまた、放浪でもしているのかと思うだろう。



「でものぅ、なんでそこまで嬢ちゃんの事を気にしているのじゃ?
周りに嬢ちゃんのこと、見える人間が居なかったからかえ?」


「…好きだから。
好きだから、好きな子と一緒に居たいって思うのって、なにか問題ある?」


「り、凛月やー…っ!お兄ちゃん悲しいぞい!!」


こんな事、兄者言うのは嫌だったけど。まぁ変に思われたり、疑われたりするのは本望じゃないし。

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作者名:もっち | 作成日時:2022年7月2日 0時

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