じゅうさん ページ14
「凛月さん、病院に運ばれてたけど大丈夫だったの?私、普通に心配なんだけど…。」
「ん、へーき。一応って、1日入院してただけだからねぇ。」
外で寝て熱中症になりかけ、何も出来ないなか見ていただけ…というか。
見ている事だけしか出来なかっただけの私はとても心配で。
誰かの助けを呼ぼうとしたけどまぁ、誰にも声が届くはずも無くて。
戻ってきた凛月さんは、少し元気が無くて。
「凛月さん嘘ついてるでしょ、元気無いもん…。」
「へぇ、一丁前に俺にそんな事いっちゃうんだ。お節介さんだねぇ…?」
うーんと考えて、ふと顔をパッと明るくすればにやにやとこちらを向く凛月さん。
なにを企んでいるんだ、と思っていれば
「俺の事、呼び捨てしてくれたら教えてたげる〜♪」
とか。
意外とさ、いじわる…好きだよね。
もしかしてさ、「好きな子にいじわるしたくなる」ってやつ?
それだったら、ちょっと…いや、めっちゃ嬉しいかも。そんな確率、無いに等しいけれど。
「うー…り、凛月…でいい?」
「……なんか、こう…こそばゆいや。」
ちょっとよく分からない、恥ずかしいよ私も。
男の子と、親しくする…だなんて貴方が初めてなんだからね。
それよりもなんで元気無いのか、教えてよ。と聞けば
「Aってほんとに死んでるのかなぁ〜?って思っただけだよ。だって普通に不思議じゃん?」
「確かに…どうやったら成仏出来るんだろうね?」
よくよく考えたら、うっとおしいからとっとと消えて欲しい。とか普通の人なら思うよね。
貴方は、素敵な人だから。生きているか、死んでいるかすら分からない私に構うの、面倒臭いよね。
いや、凛月さんだからこそ、蔑ろにすればいい存在の私にお節介やいてくれているのかもしれない。
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作者名:もっち | 作成日時:2022年7月2日 0時