じゅう ページ11
「兄者にきゃーきゃー言っちゃってさぁ?」
ライブが終わり、教室に戻るのか、歩きながら不貞腐れている模様。
ぷくぅ、と頬を膨らませる凛月さんの頬をぷに、と人差し指でつつきたい。だって可愛いんだもの。
だがしかし、そんな事を言ってしまえば余計に不貞腐れるであろう。
とりあえず今は、凛月さんの方がかっこ良かった、と伝えるべきだろう。
「ご、ごめんって…確かに零さんもかっこよかったけどね、凛月さんの方がかっこよかったよ…?」
「えー、お世辞じゃなくて?」
「あ、当たり前じゃん!凛月さんが宇宙一かっこいいよ!」
かなり大胆な事を言ってしまった…。だなんて言った後には遅くて。
顔をぽかんとしてこちらを見る凛月さんに耐えられない。
こっち見ないで、恥ずかしいからさ。事実なだけあるから、余計恥ずかしい。
「ふぅん、ふーん…?そっかぁ…、やっぱり俺の事大好きじゃん?」
「も、もう!そうですー、好きで悪い?」
「あはは、別に〜?…悪くはないかなぁ。」
そう微笑む凛月さんに、またきゅんとしてしまう。顔が良いからさ、心臓に悪いのよね。
横を歩く凛月さんを横目に、この手を繋げたら良かったのに、だなんて無駄な事を考えて。
温もりを感じたい、だとかワガママなのは分かってるよ。
こんなにも、生きているのか、死んでいるのかだなんて分からない状況が悔しかった事は今以外ないな。
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作者名:もっち | 作成日時:2022年7月2日 0時