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いち ページ2

私はいつものようにふらふらと歩き、何となく落ちていたブロックに座る。


いつものように暇を持て余していれば、何処からか聞こえてくる誰かの声に耳を傾ける。



「あつーい、…ねぇまーくん。俺死んじゃいそう。」


「はいはい、もうすぐ着くからちょっとくらい待ってろ〜。俺も暑いんだよ!」



季節は7月下旬。

暑いのは当然であろう、なんせもう夏ど真ん中だ。気温も30℃を余裕で超えるらしい。


これから8月上旬あたりにもっと暑くなってくると考えたら、皆耐えられないだろう。


ぼーっとしていれば横を通り過ぎた青年も「暑い」と小さく口にしてせっせと汗を垂らしながら歩いている。


太陽が燦々と光を放ち、まだ朝はやくだっていうのに空が眩しい。


アスファルトだってきっと熱いんだろう。私にはそんな事分かりやしないけれど。


ペットボトルの飲み物を片手に歩く人も居ればハンカチで汗を拭きながら歩く人。


姿形違えど、感じている事は皆同じで暑苦しいのだろう。


なんだか、蝉の鳴き声と周りの人の汗のかき具合を見ているとより一層暑く感じてしまう。

気分だけだけどね。


もう私には暑い、すら分からないから。汗だってかけやしない。



「みーんな大変だねぇ。

……私も皆と同じように「暑い」って言えたらいいのに……。」



ぼそっと呟くがその声は何処にも届くはずなく何処かに消えてゆく。

まるで1人で居るかのよう。周りにはこんなにも沢山人が居るのに。

永遠に誰にもこの声は届きやしないけど。


んー…と毛伸びをして座っていたブロックから降りれば先程会話をしていた青年達の後ろを、どこに行くのだろうか、学校かな?とか考えながらついて歩く。


これはただの暇つぶし。



(……俺達をつけてくるあの人、なんだろ?ファンだったら厄介だなぁ。)



そう、私は気まぐれでつけただけな筈だったんだよ。

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作者名:もっち | 作成日時:2022年7月2日 0時

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