恋空～切ナイ恋物語～ (ページ23)

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「大ちゃん、まだ彼女いるとかじゃないよねか…？」

「いきなりどうした？」

…心なしか大ちゃんが少し動揺して見える。

「だってさっき、俺の事咲ってよんだよ？咲って今電話来た人だよね…？」

大ちゃんからの返事はない。

「ねぇ、正直に言って？」

ため息をつきながら下をむく大ちゃん。
俺は大ちゃんの口から出る言葉を聞くのが怖くなった。

「…別れてない。嘘ついてごめんな」

やっぱりまだ大ちゃんには彼女がいた。
別れてなかった。嘘ついてたんだ。
じゃあなんでキスしたの？抱いたの？
これじゃあただの都合いいやつじゃん。

俺の目からは涙がぽろぽろと流れ落ちた。
何も言わずに大ちゃんは指で俺の涙を拭う。
俺はそんな大ちゃんの顔を見る事ができなかった。

「…帰るね。」

急いで制服を羽織り、逃げるようにして家を飛び出た。

大ちゃんに遊ぼうって言われてすごく嬉しかったよ。
2人乗りして、手つないで、キスして、一つになって…
幸せだった。

でも好きなのは…
俺だけだったんだ。