君の想い人は私じゃないんだ〘瀬名泉〙 (ページ47)

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一時期は大好きだったその声。

一時期では憎たらしくて聞きたくなくて、悲しい気持ちになってしまうその声。

今では才能の差を見せつけられて、彼女が輝きに溢れていると気が付かせてくるその声

私の頭に突如警鐘が響いた。彼女の声がする方に振り向いてはいけない。ようやく私と彼女は違うって諦めついたじゃない。と言い聞かせたけれども、私のことを呼んでいるだろう彼女の方へと振り向かずにはいられなかった

薄い紫色の髪のボブ、濃いピンクの目。その１つ１つをみて、あぁ、、彼女だ、、と思ってしまう

私の大好きだった友達。

そして今はもう二度と会いたくなかった女の子

彼女は何も悪くないのに、彼女の溢れる才能に私が勝手に比べて1人で頑張って才能の差があることにようやく気がついてひとりで崩れて終わった

彼女は私のことをまだ友達と言ってくれるけど、私は友達として見れなくなってしまった。彼女といると自分の才能がないことに辛くなって、一緒にいれなくなって逃げ出して、

凡人が何をやっても彼女には叶わない。いや、私ぐらいの凡人が何をしても無駄だった

才能溢れるトップ女性アイドルに近いとされている女の子

私の元友達、葉月萌音がいた

彼女の登場に私の鼓動はドクドクと嫌な感じに音を立て、早まっていく…

抑えなきゃと思えば思うほど、酷くなっていって目の前が真っ暗になっているような錯覚まで見えてきた

彼女がどこから現れたかは分からない。

私が瀬名やあんずさんに気を取られていた時にいつの間にかやってきていたのかもしれなかった

急な彼女に登場に私だけではなく、瀬名やあんずさん、、Trickstarの子達も目を見張って、驚いていた

そんな周りの様子を気にしない彼女は何を考えているか分からないような、一見綺麗に見える笑顔を見せて、あんずちゃんの隣…私に立ち塞がるようにやってきた

萌音「久しぶり〜Aちゃん♡元気だった〜？」

殺伐とした雰囲気の中、彼女は自分らしさを全開にして私と仲良かった時と同じように私に話しかけてきた

彼女はにこやかな笑顔をして軽く目の前にいる私にへと手を振り掛ける

………なんでそんなに気軽に話しかけられるの、、？、、私はあなたに酷いことしかしてないのに、、、

私は彼女に見えないようにグッと拳を握りしめた