君の想い人は私じゃないんだ〘瀬名泉〙 (ページ32)

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...瀬名泉視点...

Aからこちらに向かうという返事を聞いた俺は一言

瀬名「ありがとうねぇ」

と感謝を伝えて、通話を切ろうとした。

だけどスマホの奥から「……ッ」と言うような何か声が聞こえて、Aが何か言おうとしている…？と思い通話を切るのを一旦止めると、少し間が置いてからAの声が聞こえた

A「……大丈夫だよ。じゃあ、すぐに行くね。バイバイ」

と、、それだけを俺に伝えて通話を切った

よく分からない会話の間に、俺は一体なんの間だったわけ？と不思議に思いながらも彼女……Aは人と話すのが苦手で、通話慣れもしてないだろうから通話
切るタイミングが分からなかったんだろうと判断した

まあ、彼女のその性格は俺にとっては慣れたものだけどねぇ。

Aは人見知りが激しい。一応人とは話せるけど、なんて返せばいいか分からなくて冷たく返してしまう癖がある。

仲良くなればその癖は無くなるというのは分かっているけど、彼女としても意識してやっている訳でも無く、無意識にやってしまうので彼女自身その癖は悪癖だ。と言っていたのをふと思い出した

なのでAは冷たい。愛嬌がない。と学園内では言われていて”クール”や”気難しい人”として有名だ

だから連絡先知っている人少ないんだよねぇ。Aもそもそも教えたがらないし。

当人のAはその悪癖は治そうと最初はしていたが去年の時点で諦めて終わった。人と話すの無理！！って騒いでいたの……懐かしいねぇ

俺はAの性格を思い返していたあと通話を切ったスマホをポケットに戻し、Trickstarとあんずの顔を見た

俺が普通に会話していたのが聞こえていたおかげもあったからか分からないけど、

Trickstarの顔はドキドキとした緊張してそうな顔と、あんずの大丈夫かな？と不安そうに来てくれるのかな？と心配していた顔を見て

そこまで緊張する必要ある？と思いながらも俺は口を開いた

瀬名「A、今こっちに来てくれるってさ。あんた達俺にちゃーんと感謝しなさいよぉ」

と俺が呆れながらいうと、こいつらの顔はぱぁっと綺麗にお日様のように輝いて暗い顔が払拭された

スバル「わーい！！ワカメ先輩ありがとう！！大好きー！！」

とTrickstarのツンツン頭。明星スバルが俺にどーん！と効果音をつけるように元気に飛びつきながら抱きついてきた

俺はうわっ！と驚いたと同時に反射的に…