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ふぅと深呼吸をしたあと私は一旦落ち着きを取り戻し、手指が震えながらも彼への電話へと出た
A「…………もしもし」
私がそういうと電話越しの彼からホッとするような息が聞こえてきた
瀬名『もしもし？久しぶり。急な電話ごめんねぇ』
電話越しから聞こえる、大好きな彼の声に
否が応でも私の胸は高鳴り、鼓動が高まった
今の私と彼の関係では不謹慎なのは分かってる。
それでもどうしようもなく、嬉しくて、大好きって思ってしまう私の恋心で
でも、私は伝えられるような立場の人間じゃないってことにまた胸が痛んだ
ズキズキとする胸の痛みを抑えながら、何も無いように全て隠して、電話越しだけど極力笑顔でいようと会話を続ける
A「大丈夫だよ。珍しいね。瀬名から連絡来るなんてどうしたの？」
瀬名『そうだね。あんまり連絡することもなかったから。あんたのこと待っている人がいてさ。ちょっと今3-Aに来れる？ゆうくん達があんたに用があるみたいなんだよねぇ』
私がそういうと瀬名は手早く要件を伝えてきた
”連絡することもなかった”
という言葉に、うっ、、と少し心に重くかかったが、それもそうだよねと思い、私が気にする資格なんてないんだから……と意識を強く持つ
それよりも最後の言葉。
これが本件だよね？
やっぱり私用な連絡ではなかったか…と期待を勝手にしちゃっていた分少し寂しかったけど、私用以外のそれが当たり前。
切り替えないとな…と思い、瀬名の最後の言葉から考えた
………ゆうくんって………誰だったけ？？
確か瀬名の弟的存在で溺愛している子だっけ…？
去年、名前だけは聞いたことがあったような気がして思い返してみるけど、瀬名が溺愛している子ということ以上に思い出したことはなかった
そんな子がなんで私の事待っているんだろう？？
関わったことある訳でも無いし、、、
それに…活動休止中の私に会ってなんの意味があるんだろう
よく分からなかったけど、こう電話越しから言われてしまったら待っている人達のところへ行くしかないよなって思った
人と話すのが苦手だし、会ったとして何か重要なことがある訳でも無いだろうけど
瀬名の溺愛している子だし、今ここで断ったら瀬名に怒られそうと素直に思って、それは面倒だから避けたかったのでしょうがないと諦め……
A「わかった。今そっちに向かうね」
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作者名：sarai | 作成日時：2024年1月1日 3時
