61.バレた ページ25
爆弾が入れられた消火栓ボックスの所まで行くと安室さんは率先してボックスを調べ始め、赤井さんは電気コードの方を調べに行き、私は一応消火栓の方にコナン君と一緒にいることになった。
すると既に蓋が開けてあるボックスを見た安室さんが尋ねる。
「消火栓ボックスには何も仕掛けられていなかったのかい?」
ギクッ。
「こういう場合はトラップが仕掛けられる可能性があるから開けるときはきちんと専門の人が……」
そこまで言いかけて私の顔がひきつっているのを目の端で捉えたらしい安室さん。
一瞬「開けたのお前だな?」という彼の眼差しが向けられ冷や汗を垂らす。
バレた。これは先に謝っとくべきなのかな。
「す、すみません開けたの私です……」
控えめに手を上げて目を反らす。
すると安室さんは“安室透”のような困り笑顔をした。
「いえ、確かに“一般人”の水瀬さんにそういう知識がないのは当たり前ですし気にしません。でも今度からもしこういう事があれば気をつけてくださいね」
「は、はい」
まさかの優しい対応に目を丸くし、ハッとする。
今ここにコナンくん達がいるから一応“安室透”になっててくれるのね。なるほど。
ここで会う時点でもう色々おかしな気もするけど名探偵の仕事してて偶然会ったってことになるの……かな?
すると電気コードの方を見終わった赤井さんがやって来た。
「赤井さん、爆薬は?」
「やはりC-4だ。非常に上手く配置されている。全てが同時に
爆発したら車軸が荷重に耐えきれず連鎖崩壊するだろう」
コナン君の質問に赤井さんは冷静に答えると彼は悔しそうに顔を歪めた。
しーふぉー?って何だろう。うーん、私にはとりあえず早く爆弾を何とかしなきゃいけないことしか分からないな。
「なるほど悩んでる暇は無さそうですね、これか」
安室さんはそういいながらホースの束を退けて爆破装置を確認し、ホースを取り出していく。
コナン君が爆弾の解除方法は分かるの?と聞くと彼は頷き、警察学校時代の友人に教えられたと話した。
この人って友達いたんだ!とかなり失礼なことを一瞬思ってしまう。
いや、だって安室さん仕事ばっかりでプライベートの方の友達あんまいなさそうだな……なんて。
「後の爆発物処理班のエースになった男でね。……まぁ結局そいつは観覧車に仕掛けられた爆弾の解体中に爆死したんだけどね」
「……」
そして急に明かされる友人の死に複雑な気持ちになった。
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秋海(プロフ) - ありがとうございます…! (2021年8月8日 19時) (レス) id: 628fc0211f (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 秋海さん» ありがとうございます!!!夢主ちゃん描いてくださったんですか!?自作発言などなければ基本的に載せていただいて大丈夫です! (2021年8月8日 19時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
秋海(プロフ) - 作品とても面白いです!!夢主ちゃんが可愛かったので描いてみたんですが、見て頂きたいので自分の作品の方で載せても良いですか…? (2021年8月8日 18時) (レス) id: 628fc0211f (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます、白いカードのシルエットのことでしょうか?そうです降谷さんです、合っていますよ!! (2021年8月5日 16時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - あの、ホーム画?イメ画?のシルエットになってるイラストって、降谷さんですかね。?!((((違ったら全力逃走 (2021年8月5日 5時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2021年3月2日 17時