【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ10)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:37,667 hit

第510Q 葉山のリベンジページ10

「ねー赤司、火神のマークもう1回オレにやらせてよ。」

赤司には声をかけたのは葉山であった。

「ゾーンは解けても荷はまだ重いぞ…できるのか？」

「だってオレ試合開始からバコバコ抜かれてそれっきりだよ？やり返さなきゃ気が済まない。」

試合は誠凛ボールで再開された。
その時、ベンチの降旗の視線の先にはずっと黒子がいた。

「(黒子の影の薄さがなくなってる…！？
まさか、そんなことあるもんか…！！)」

もちろん、黒子のことに注目していたのは降旗だけでなくAもであった。
梟の眼で黒子の様子を確認していたが、彼女が最も気にかけマークしていたのは洛山の黛千尋であった。

「(……似てる、恐ろしいほどに。)」

その頃、火神のマークは先ほどのやり取りの通り葉山に戻っていた。

じーっと火神を見つめる葉山、彼もこの状態に視線を思わず彼からそらす。

「…うん！よかった！！赤司にやられてもまだ諦めてないっゾーンが解けてもまだまだ元気そうだね！」

「あたりめーだ何言ってる！？」

「ん？だってさー戦意なくしてショボくれた奴にやり返しても面白くないじゃんよ！
もう2回も抜かれたかんね、5回は抜くよ！！」

「…ん？5回！？(計算方法がよくわからん！！)」

誇らしげな葉山に対し疑問点は山々だが、この挑発受けない選択はない。

「…まぁいーや！！
何度でも抜いて返しきれなくしてやらー！！」

ゾーン状態の火神を含め2回抜き去られた葉山、その彼をマークに戻したことに木吉は根武谷に尋ねた。

「いいのか？火神のマーク戻してしまって」

「あ？…そりゃまー総合的には火神の方が上だろーな。高さとか特に…けど平面の勝負だったら小太郎も負けてねーぞ。」

「なに…！？」

ボールを持った火神、そして目の前に立っていた葉山の雰囲気が豹変する。
それはまさに、火神や青峰が纏った野生。

「(自信満々なだけあってコイツ…ドライブだけじゃねぇ。DFも相当厄介だぜ、どうする…。)」

十分な速さを持つ火神だが、葉山も食らいつく。
火神の視界の隅に捉えた微かな影、迷わずそちらの方向へボールを押し出した。

その相手は黒子であり、黒子の中継によりボールはゴール付近にいた日向へ渡った。

日向の手から放たれたボールは実渕のブロックの上を通り過ぎたがリングに当たり弾かれ、リバウンド勝負も根武谷に軍配が上がった。