【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ35)

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第535Q 勝ちたい思いページ35

「(形勢はもう真っ暗闇の中で、瞬きで見失っちまうような微かな光しかない。それでも必死に…これからって時に…なんだよそれ…！！)」

込み上がる思いは止まらない、生まれてくるのは必死さ

「なんだよそれ…！！今接触はなかった…なのになんでファウルとられなきゃなんねーんだよ！！相手が勝手にバランスを崩したんだオレは悪くない！！」

「主将！」

「日向！！」

伊月や、木吉、火神たちの声も今の日向には届かない。

「頼むよ…オレは……！」

刹那、もう一度ホイッスルが全員の耳に届く。
そして、告げられたのは審判による抗議による日向のテクニカルファウル。

これで日向ファウルは4つ目。
もはやベンチに下げるしかなかった。

代わりに小金井がコートへ向かう。

「うわっ…ちゃあ～裏のモニターじゃなくて最後は会場で見届けたいのだよ、とか誰かさんが駄々こねるから感情もそこそこに駆けつけたのに…」

「こねてないのだよ。」

「そりゃないっすぜ日向さーん…」

その頃、コートとに到着したのは3位決定戦を終えた高尾、緑間を始めとした秀徳メンバーたちであった。

「…確かに目に余る愚行だったな。
だがそれでも彼を責めることはできないのだよ。
それほど勝ちたかったのだろう。」

「……まじか。」

「何だ？」

「いや…まさか真ちゃんからそんなセリフ出るとは…」

「どーゆことなのだよ！？」

そして、秀徳と同じく青いジャージに身を包んだ海常メンバーたちも到着していた。

「だからこそ残念だぜ全く…オレたちに勝ってここまで来た好敵手だ。完全に誠凛贔屓で観てたんだがな…。」

「いよいよ年貢の納め時…か。」

そう言う笠松と森山の言葉を遮ったのは黄瀬であった。

「いや…かろうじでだけど…まだ最後の希望が残ってるっス。…けど多分もう…。」

このファウルで与えられたフリースロー3本。
珍しく実渕は2本を外したのであった。

「珍しいな実渕、おいどうした？」

「ごめんなさい、ちょっと気が抜けちゃったのかしら…すぐ締め直すわ。」

追い詰められた誠凛に残された光は火神とAで、
自然とメンバーたちの視線は2人に集まっていた。

ボールを持ったのは火神、そしてその前に立ちふさがるのは赤司であった。