【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ26)

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第526Q シューターとしての格ページ26

実渕のシュートフォームは一見、普通のシュート。
しかし、ブロックに跳ぼうとした日向には大きな異変が起きていた。

「(跳べない…！！？なんで…！？)」

彼は3種のシュートを持つ将。
__________"夜叉" 実渕玲央

少しずつ押されていたのは日向で間違いなかった。

「(くそっ…負けるかよ…
"無冠の五将"だろーが何だろーが……勝つんだ絶対！！
けど…どうする！？3種類のシュート…【天】【地】だけでも厄介なのに…【虚空】。
オレが動けなくなるシュートなんて…一体どうやってる！？
あの時動けないだけじゃなく見惚れちまった…違う！
何考えてんだ！"夜叉"オレが理想とするフォームのシューター。
考えるのはどうすればいいかだ…！勝つために…！)」

酸素を脳に送る、何度も何度も考えるが…脳裏を過ぎったのはあまりにも日向らしくない言葉だった。

「(……勝てるのか？)」

不可侵のシュートの重心を移すタイミングも完全に実渕に合わせられている。

思わずボールをゴール下にいた木吉にパス。

「(ふーん、思ってたより早かったわね…)」

ブロックに跳んだ根武谷に対し、後出しの権利でフリーであった火神の元へ。
何とかこの攻撃は誠凛が得点した。

「征ちゃん、私の方はあと1球でいいわ。」

「……あぁ、そのようだね。」

「格付け済んじゃったわ、この勝負は私の勝ちね。」

この勝負は桐皇戦の時の日向対桜井によく似ている。
つまりは意地の張り合い。

日向の行動は間違ってはいない、パスを出し得点につなげた。
チームとしてはむしろ正しい。

赤司から実渕へ渡った先ほど告げた最後のボール。
ノーフェイクからモーションに入ったことから日向は彼の技の１つである虚空であることを予測したがそれは外れ、
直後フェイクを加えてから日向に当たりながらの3Pシュート。

「(【地】のシュート…っ！？しまった…！)」

DFであった日向にファウルが与えられる。
そして実渕にはワンスロー、いわゆる4点プレイである。

ここで１つはっきりしたのは、シューターとして実渕の方が格上と言うことであった。

「ドンマイ日向、取り返そう！」

「わかってるよ！！」

このことはひしひしと日向もわかっており、伊月からの声掛けも強く返してしまう。

悔しさと怒りから彼の体は震えている。
木吉も伊月もこれ以上彼にかける言葉はなかった。