【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ23)

今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:37,693 hit

第523Q "キセキ"の相手は"キセキ"でページ23

コートに戻る選手たち、それぞれがそれぞれのポジションへ着く中
周囲の視線を集めたのはやはり赤司の相手であった。

誠凛は先程、無名の1年生降旗を当てた。
そしてその代わりとして抜擢されたのは他でもない同じ"キセキの世代"と称される彼女であった。

「まさか、君が相手になるなんてね。」

「"キセキの世代"の相手は"キセキの世代"でね。
大我より力も速さも劣るけど…征ついてよく知る私が適任でしょ。」

赤司の前に立つA、その様子に青峰と紫原は眼を丸くした。

「(赤司の相手がA…互いに手の内を知り合っている…。そうなると天帝の眼を持つ赤司の方が間違いなく有利…)」

「(Aちんが火神を除いた中で間違いなく、赤ちんと対等に出来ると思うけど……これはかなりやばいでしょ～。)」

腕の怪我のことに加え、赤司を除いたメンバーをこの先抑える上でもAの体力をここで使い果たしてしまうのは最善の手とは言えないだろう。

「A…。」

桃井は微かに震える手を握りしめた。

「…決着をつけようか、A」

「望むところだ。」

橙色の目と赤色の目が交差する。

「(征には手の内は知られてるし、ついでに天帝の眼だし…部は間違いなく悪い。
それでも、止めなきゃならない…)」

深く深呼吸をし、脳に酸素を送り込む。
今回、Aに与えられたポジションはPG
ボールを回すことが主な役目である。
体で例えるなら血液だろう。

梟の目で赤司の体全体をを捉える、微細な動きも逃さないように。

赤司とAの勝負と合わせ、誠凛と洛山双方が攻撃の要としたのは奇しくも同じポジションであった。

ボールを持ったのは実渕、そして黛のスクリーンを無理やり抜けて彼の前に立ったのは他でもない日向であった。

「あら、嬉しい。第1Qの終わり結構カチンときたのよね。ぶっ潰してあげる♡」

「オカマと遊ぶ趣味はねぇよ他当たれ！！」

両チーム、攻撃の要はSG。
つまりこの先の展開はSG対決であった。