【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ3)

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第503Q 選手の判断にページ3

ジャンプボールの準備をしたのは火神であったことにベンチメンバーは驚いた。

「あり？ジャンプボール火神？
予定じゃ木吉が跳んで黒子から火神で速攻一本取る
はずじゃなかった？いいの、カントク？」

そうリコに尋ねた小金井。
こういう時ほとんどの監督はコート内の選手の判断に託す。

外からの第三者目線よりも当事者たちの判断の方が確実なことが多い。
リコも同じ考えであり2人の交代の指示は無かった。

「火神君がもし入れ込みすぎてるとかなら鉄平が止めるはず……
代わったってことはそうした方がいいと感じたんでしょう。」

火神の背後に立った日向は彼の背中を見て安心感を得ていた。

「(この感じ…いつだったか見覚えがある。
闘志は充満してるけど落ち着いている。
おそらく精神的にもベストコンディション…！！)」

もちろんその火神の雰囲気は、今までもあった。
そしてその空気を"キセキの世代"と呼ばれ彼らも感じ取っていた。

赤司に一泡吹かせることができるとしたら考えられないが、可能性があるのなら間違いなく火神である。

それぞれの視線が交差する、もう後には引けない。

審判の手からボールが高く放たれる。
それが試合開始の合図。

ジャンプボールを制したのは火神。
相手であった根武谷よりも跳躍力は上であった。

そして、当初の作戦の通りボールは伊月から黒子の元へ

「【加速するバス廻】」

物凄い勢いでボールがゴール下へ向かう日向へ、
しかし日向は加速するパス廻を取るほどの実力はない。

「テツヤ、バカっ！気合い入りすぎ！！」

「あ……すみません。」

取りこぼしたボールはゴール方向に転がっておりそのままレイアップを狙ったが、洛山のスタメンは中々の実力者揃いすぐに追いつきボールを弾く。

「ぐっ…実渕！」

「ファンブルがなければ決められたのに残念だったわね。」

ボールは誠凛から洛山ボールへ、赤司の手により
根武谷へ、マッチアップであった木吉だが
黛のスクリーンで身動きを封じられる。

「オラァもらいだ先制点！！」

ダンクを狙ったが、それを防いだのは火神であった。
木吉が受け取ったボールをすぐに火神はゴールへ向けて走り出し「くれ！！」とボールを要求。

キラリと紅の光が走った。