【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ15)

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第515Q 洛山の一軍以下ページ15

「だが想定を超えるほどではない、様子見はここまでだ。10番火神のゾーンも解けたし選手個々の調子も把握した。第2Qはプラン通りで問題ない、いいな赤司。」

白金からの問いに赤司はすぐに肯定を答えた。

「……はい、誠凛の力はもう十分わかった。ここから先は蹂躙するのみだ。
小太郎、永吉、玲央、点を取ってもらうぞ。

ボールを回す、秀徳戦では鷹の目の使い手がいたせいで使わなかったが…
それほど視野の広くない鷲の目と梟の目ならば使えるルートはある。」

そう言う赤司の視線の先にはバッシュの靴紐を締め直す黛の姿があった。

直後、インターバル終了のブザーがなり第2Qが開始した。

誠凛の様子見を見ながら桐皇の若松と桜井は話し始めた。

「やっぱり誠凛は黒子下げてきたな。」

「だとしたらひとまず穴は塞ぎましたね、もしかしたら第1Qより善戦出来るかも…。」

そう言いかけた桜井に否定したのは監督の原

「……いえ、そう単純な話ではありませんよ。
洛山高校のスタイルを一言で言うなら横綱相撲です。つまり最初から慌てて攻めたりはしません。
どんな時もまず相手を正面から受け止めます。
そしてそこから圧倒的な力で捩じ伏せる、
王者の正攻法です。第1Qはまさしく様子見…
動くとしたらこれからです。」

原の予想通り、洛山が動き出したのはこの第2Qからであった。

そして、"キセキの世代"と呼ばれた彼らの視線の先には5番の背番号を背負う黛であった。

「おい、さつき。洛山の5番ってどんな奴だ？」

「え？…えっと…」

いきなりのことに戸惑いながら丁寧にかつ綺麗に纏められたノートを広げだ。

「黛千尋 3年生 PG。身長182センチ、体重69キロ…速さ、力、技術、体力…その他ほとんどCランク。OF、DF共に得意不得意なし…正直びっくりするぐらい平凡…。」

「洛山の選手にしてはやけに物足りねぇスペックだな、例年ならいいとこ補欠レベルじゃねぇの？」

「…いえ、それ以下です。」

補欠にすら入らない黛の技術力。
桃井の否定の言葉に周囲は目を丸くした。

「彼がレギュラーとして試合に出るようになったのは3年…赤司君が入って暫くしてからです。それ以前はベンチはおろか一軍にも入れてません。」

「……はぁ？なんだそりゃ、そっくりじゃねぇか
どっかの誰かとよ。」

今までの桃井の情報を元に青峰の言葉は確信に近いものだった。