【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ11)

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第511Q 代償ページ11

シュートが外れた理由を日向はすぐに直感した。

「くっ…触ってたのか…！」

「まあね、けど問題はそこじゃないわよ順平ちゃん♡」

この言葉の真意を日向はまだわかっていなかった。
それよりも気になったのは実渕の最期のハートマークだった。

洛山の反撃はすぐに始まり、赤司からのボールは葉山へ

「火神！(まずい！！ほぼ止まっている火神に対して葉山はスピードが乗ってる…この条件では…！！)」

伊月の忠告は遅かった。
怪しく葉山は微笑み「4本だ！！」と呟いた。

まるで雷のような轟音がコート内を揺らす。

「(ボールが目で追えない…！マジで消えたように見える…！！)」

先ほどの宣言通り葉山の電光石火は火神を抜き去った。

そんな中、黒子は自分の手を見つめ違和感を感じていた。

「行くぞ黒子！OFだ！！
洛山から点取るんだ、火神だけじゃない全員の力を合わせなきゃダメだ！！パス回してくれよ！！」

日向言葉に黒子はもう1度拳を握りしめ敵陣ゴールへ走る。
その様子を赤司は何か確信を得たように見つめていた。

「(やっぱり変だ！まだ試合は始まったばかりなのに…さっきからもう黒子はほとんどカットがきれてない…！それにさっきの観客の反応も…1度ボールをキャッチする消えるドライブや幻影のシュートならまだしも…
パスの時は慣れてる人間以外黒子をほとんど認識できないはずなのに…
理由わからなけどやっぱりとにかくカントクに伝えなきゃ…！)」

思わずベンチを立った降旗が「カントク！あの……」と告げようとした瞬間

__________それは今ではなく既に起きていた。

黒子が放ったボールは実渕の手によって遮られたのであった。

「ルーズボール！！とって！！」

今まで迎えてたこともなかった状況に誰もが目を疑った。
今まで黒子のパスが遮られたことはなかったのだ。

実渕のカットからの洛山のカウンターは成功。
ついに誠凛と1ゴール差まで詰め寄ったのだった。

__________意外でもなく劇的でもない。皮肉という他ない進化の代償。

「黒子のパスが、破られた…！？」

この試合を観戦していた今まで対戦相手はもちろん、コート内のメンバーたちも起きたことの整理がついていなかった。

そして1人、ゆっくりとAは天井を見上げた。