紅葉が五つ ページ7
、
「久しぶりだね。元気？」
そう聞くと、彼女は泣き出した。
おいおい。こっちも演技か？
此方も眼で会話する。
(ちょっと、演技こっちもするの？)
そう聞くと、
(うん。面白そうでしょ？)
そう帰って来た。
険悪ムードを作るか。
そう思い、微笑みながら睨む。
二つの感情達の間に、大きな渦が生まれたように思う。
妖気がぶつかって、渦を巻く。
あっちはこっち程酷くないようだ。
皆の視線が突き刺さる。
気にしてなんか居られない。
「何でここに居るの？貴女が居たら、碧は救えたかも知れないのに。」
咎めるような口調で。
「だって、私が出たら、貴女は引っ込んでしまうでしょう？」
泣きながら、説得する様な口調で。
「緊急時には二人とも出られるの。貴女解ってたんでしょう？」
解らないとは言わせない、強めの口調で。
「っ！」
行き詰まった様な顔をする。
「この弱虫。碧は泣かないって決めてたみたいだけど、貴女は泣きやまないのね。貴女のせいで碧は死んだ。そう考えても、可笑しくないでしょ？」
最後は呆れながら。
「ぜーんぶ貴女のせいなの。」
そして、私が一番思って来たこの言葉。
碧が死んでから、ずっと考えて来た、この言葉。
「こんな世界、無くなって仕舞えば良いのよね？貴女も一緒に。そしたら、私も消えるから。」
全てを悟った様な顔をしながら言う。
彼女は絶句しながら泣いた。
「何時まで泣いてるの？碧が死んでから、貴女は何をしてたのかしら？」
そこまで追い詰めると、カタカタと震えながら、彼女は言った。
「そこまでして消えて無くなりたいの？」
嗚呼。
そう言えば、この子も一緒にしてたね。
あの女神達のゲームを。
「私には碧の居る世界が全てなの。それ以外は何も要らないでしょ？」
春オロチなら、もうこれで解ったと思う。
もっと前から解ってても可笑しくないけど。
そしてその場の空気を和ませようと大ガマが言う。
「とっ、取り敢えず、中に入ろうぜ？何時までもそんな所で立ち話しないでさ。な？」
落ち着かせようと話し掛けてくる。
ほんといい人。
周りから見たら、私達、どんな風に見えるんだろうね？
まあ、実際の事しか言ってないけど。
それでも、随分前に和解したんだけどね。
そんな事を考えながら、険悪ムードを高める。
距離を離して歩くのだ。
そうすれば仲が悪く見えるから。
そう言うのは既に、計算済みだよ？
ラッキーアイテム
シール
ラッキーキャラクター
ビーチ姫
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
秋春 - 死音さん» うわぁあああマジか私ヒビヒヨ、いや、ヒビヤ受け派だ！背の小さい子は受けだ！！うん！！ (2018年4月3日 22時) (
レス) id: b52e9716bb (このIDを非表示/違反報告)
死音 - 秋春さん» YES、I Do (2018年3月28日 17時) (レス) id: 131cb3847a (このIDを非表示/違反報告)
秋春 - そなた、ヒビモモ派か (2018年3月21日 15時) (レス) id: b52e9716bb (このIDを非表示/違反報告)
死音 - 外すの忘れてたんですよ。ガマ土とかキュウオロとか出そうかなとは思ってるんですけどね〜。アドバイスありがとうございました！ (2017年10月15日 14時) (レス) id: 131cb3847a (このIDを非表示/違反報告)
秋春 - （続き）ますので。長々とコメント失礼しました。 (2017年10月14日 19時) (レス) id: b52e9716bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
