午後三時。 ページ2
『夜中に、ふと甘いものが食べたくなるときってありませんか？』
平和な退屈がじっとりと広がった病室でカーテン越しの彼との会話に試みてみる。
「さぁ...人それぞれなんじゃないかな。」
『そうですよね...』
...しかし案の定、それだけで会話は途切れてしまった。
此処での、彼との入院生活は実に3週間目に到達しようかというところなのに、私は未だに彼の顔を見たことがない。
いつでもカーテンでベッドの周りをぐるりと一周、閉め切っていて顔どころか、何歳なのか、身長はどのくらいなのか、髪の長さ、色も何もかも知らない事だらけだ。
私が彼のことを考える時、"カーテン越しの"と付けるのにはそういう理由がある。
多分、声からして年齢は私とそう大差ないだろう。私が15歳だから...16、7歳くらいかな。
声だけ聞くとかなりのイケメンな気がする。
......なんて一度、考え始めると次から次へと気になることが増えてしまい、結局それは収集が効かなくなってしまう。
ここは意を決して彼に色々と訊いてみることにしよう。
『ええと....名前、天祥院さん。でしたっけ。...その、どうして何時もカーテンを閉め切ってるんですか？』
多分、名前間違ってないはず。病室の入り口の壁にネームプレートで見たから。
「...それは、絶対に答えなくちゃいけないのかな。」
『え、や、別に無理にとは...』
いや、でも此処で聞いとかないと、断られたら後から後悔する気がする...
『...90%くらい絶対に答えて下さい。』
「それはつまり残りの10%は答えなくてもいいって事だよね。」
『.....ええ、まぁ、はい。』
「じゃあ、別にその質問には答えなくてもいいってことだよね。」
『..........ええと....そう...ですね？』
何故か疑問系になってしまう。
...100%にしておけば良かった。
彼に上手く言い包められているしまった。
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ウサッキー - 続きが気になります！！良ければ続きを更新してください！ (2019年10月21日 8時) (
レス) id: 16942f4391 (このIDを非表示/違反報告)
明蛍 - 更新待ってますぅﾊｰﾄ（笑） (2019年2月17日 19時) (レス) id: 0dcfd45f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬海老 しお | 作成日時：2018年8月23日 20時
