あの先輩が溺愛してきます。【あんスタ】

修学旅行 学校にて ページ20

「じゃー、気ぃつけて帰れよ」


先生のひと声にはーい、と返事をする。
修学旅行の終わりは寂しくて
もう少しあっちいたかったなぁ、なんて思った。

個々の帰り道をいくみんなに手を振って
迎えに来ているであろうお兄ちゃんの元へ。


「A！こっちこっちー」


お兄ちゃんの声が聞こえて
振り向いた瞬間、私は誰かの腕の中にいた。


「Aッ、おかえり！」

「それ泉ちんが1番に言う台詞じゃないらろー⁉ていうか抱きつくな！」

『...泉先輩、ただいまです』


すりすり頰ずりをされて
ふわりと先輩の香りがする。

なんか懐かしいなぁ。

いやいやいや、その前に
なんで先輩いるの？


「んぐぐぅ...おかえりッ！A」

『お兄ちゃん、ただいま』

「俺？俺に言ってるの？」

『なずなお兄ちゃんに言ってます』


いつも以上にテンションが高い先輩に
若干うんざりしつつも内心ちょっと楽しかったり。

あと、お兄ちゃんが可愛い。


「Aー、寒いからあっためて？」

『あー。はいはい』

「...えっ...A？」


抱きしめ返すと
泉先輩は動揺して顔を真っ赤にする。

...照れるくらいなら言わないでよ。


「ずるいぞー！俺もっ」

「は、はぁ？なずにゃんはいらないからぁ！」


久しぶりの2人の言い争いが遠くに聞こえて、あったかくて幸せな気持ち。

...明日からはまた、多分いつも通りの毎日。


(後日)

「あの後、A寝ちゃってさぁ。俺がおぶってったの。めっちゃ可愛かったよぉ？」

『写真消してください！』

「やーだ」

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