引きこもりが愛されてしまった…【文スト】

元引きこもりが２１人。 ページ28

相沢side

『世界一の、名探偵？』



彼の言ったことを繰り返して言うと、ニヤリ、なんて効果音がつきそうな表情をして返される。



「ふっふっふ！



　なんせ僕の異能力「超推理」は瞬時に謎を解決できる最強の異能力。



　猿ほどの推理力もない社員達を支えてやってるのが、この僕さ！」



なんというか…すごい自己肯定感高いなぁ。



異能は、確かにすごいけど、脳みそ貧損がアイデンティティの私からしたら



それはもうものすごくうらやましいけど。



一応先輩なんだし、媚うっとこ…



なんて賢いことを私ができるはずもなく、



なんて返せばいいのか分からずわたわたしてたら彼はまた話しかけてきた。



「ふむ、では人見知りの君にとっておきのプレゼントをしよう！」



とっておきのプレゼント、といわれて耳がぴくっと大きくなる。



『なんですか？』



「駄菓子とラムネ買ってきて！」



５００円玉と共に放たれた言葉の意味が分からず、



受け取った５００円玉のひんやりとした感触を感じながら考えた。



理解するのには30秒もかからずに答えがでた。



パシリにされそうになってる…！？



出会って早々駄菓子のおつかい(笑)に繰り出されるほど



ひょろい見た目してるのかな、私。



乗り気じゃなかった気分も、陰気な雰囲気を気遣ってくれた彼の一言によりひっくり返った。



「…仕方ないから君の分も買っていいよ、一個だけだからね！」



『お言葉に甘えて！』

元引きこもりが２２人。→←元引きこもりが２０人。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す