引きこもりが愛されてしまった…【文スト】

元引きこもりが２０人。 ページ27

相沢side

入社が決まった次の日。



私は初出勤すべくこれから始まる新しい日常に期待で胸を躍らせながら、



軽い足取りで探偵社へと向かっていた。



私の住むアパートから探偵社まで、徒歩約２０分。



近いとも遠いとも言えない微妙な距離にある、小さめのアパート。



そこを私は結構、いや、かなり気に入っている。



汚い訳でもなく、寧ろ小綺麗で、



部屋も広すぎず狭すぎず。



ポートマフィアをやめてから、探した物件だ。



ポートマフィアからも離れているし構成員がいる可能性も低いだろう。



一人で私の家自慢をしていればそこはもう探偵社のドアの前だった。



緊張して震える手をドアノブに掛けた。



がちゃり。



目の前に広がるデスクたち。



その上に置いてあるパソコン。



と、一際大きい場所に座りなにかを眺めている人。



「ビー玉っていいよねえ」



『えっビー玉…そうですね』



急に話を振られて戸惑うがとりあえず肯定の意を示す。



「ところで君、新入社員だよね」



聞き覚えのない声、初対面なのに、何故わかったのか問うと彼は、



先程まで窓を向いていた体をこちらに向け、



「それは僕が世界一の名探偵だからだ！」



江戸川乱歩＿座右の銘『僕が良ければ全て良し！』
ーー
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