引きこもりが愛されてしまった…【文スト】

元引きこもりが２２人。 ページ29

相沢side

駄菓子のおつかいに繰り出され約５分。



私は、近くの駄菓子屋を調べ、そこへ向かっていた。



一歩進むごとにどんどん都会とは少し違った和やかな雰囲気の場所へと変わっていく。



田舎でもなく普通の街中といった感じなのだが、



少し年紀の入った建物が作り出すこの雰囲気が心地よい。



『あ、ここだ』



ヨコハマにこんなとこあったんだ、と呟きながら店内に入る。



商品を見渡せば、全てワンコインで支払える金額。



駄菓子すげえ…と感嘆しつつも、頼まれたラムネを探す。



ラムネ、ラムネ、あった。



ちゃんと自分の分も忘れることなく、カゴに入れ、



後はヨー〇ルなどを買った。



さて、早く探偵社にもどってラムネ飲もう。



来た道と同じ道を進み探偵社についた。



まだドアを開けるのに躊躇しているのを無視して社内に入る。



入った瞬間感じるこの涼しさ。室内って素晴らしいものだなあ、



『只今もどりました！』



「遅い！」



間髪を入れずに返ってくる返事に苦笑する。



『お待たせしました。ラムネとその他駄菓子です。



　どうぞ、えっと、名も知らぬ名探偵さん！』



名探偵を名乗っていたし、あながち間違ってはいないはず…



変な呼び方で怒られないか祈ったが、彼は怒るどころか



寧ろうれしそうに駄菓子たちを受け取った。



「ん、ありがと！



　あと、僕の名前は江戸川乱歩。乱歩さんでいいよ」



江戸川乱歩、江戸川、乱歩。



『はい！乱歩さん！』

元引きこもりが２３人。→←元引きこもりが２１人。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す