引きこもりが愛されてしまった…【文スト】

引きこもりが５人。 ページ8

相沢side

２分ぐらいたつと、ようやく太宰さんの笑いが収まってきた。



人の退職事情を爆笑するだなんて、この人はなんて礼儀知らずなんだ。



と、先ほどから冷たい視線を送っているのだが、本人は全く気にしてない様子。



太宰さんはそんな私を見ながら話す。



「はー、笑った笑った。



　で、Aちゃんは職場をなくして、今どんな生活をしているんだい？」



痛いとこついてくるよなぁ。太宰さんって。



今それで悩んでいるっていうのに、それを聞いて貴方の何の得になるんだ。



ちょっと前までは合理的で冷徹な印象が強くあったのに大分変ったなぁ。



そんなことを考えながら答えた。



『今は残ってたお金で、なんとか。



　でも、そろそろ底をつきます。



　頼れるコネも何もないので今困ってます』



言ってて悲しくなってきたが、事実なのでどうしようもない。



私の返答により暗くなった空気に、



不釣り合いの弾むような声を出して太宰さんが言った。



「なら、探偵社に入り給え」



探偵社。



きっと彼の口から出るということは武装探偵社のことだろう。



武装探偵社か、ポートマフィアよりはホワイトなんだろうな…



ん、武装探偵社？



困惑し始める私を見もせずに太宰さんは続ける。



「なぁに、躊躇うことはないさ。



　私も元ポートマフィアだし、最近君と同じくらいの齢の子が入る予定なんだ。



　って、Aちゃん？」



私の異変にようやく気付いたのか、不思議そうな顔をして此方を見つめている。



『っ太宰さん、』
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１/９．修正

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