心地 ページ11
「店は抑えておきました。自分はメールの確認をしてから向かいますので、4人は先に向かってください。」
てきぱきとダンスルームを片付け、自分の荷物を持って忙しく出ていった。
七種さん、ほんとにいつも忙しそうだな。
「それじゃ、お言葉に甘えて、俺らは先に向かっちゃますかぁ〜」
「嬉しいねっ!これでAちゃんももっと僕たちのこと知れるね!光栄に思うといいね!」
「えへへ…………そ、そうですね。嬉しいです。」
「私は、Aさんの事を…もっとよく知りたいな。」
七種さんに続いて雑談しながら自身の片付けをし、ダンスルームの鍵を閉める。
しっかりと施錠したことを確認し、よし!出発!といったところで、大事なことを思い出し「あ」と声を漏らしてしまった。
「Aさん?どうしたの?」
「すみません、今日の分の仕事の資料を副所長室に忘れてしまって………
3人で先に向かってくれませんか?」
「え〜、Aちゃんとお喋りしながら行けると思ったのに。」
「すみません……」
まあまあ、タクシー待ってますから。と漣さんが巴さんの肩を押し、ブーブー文句を言いながらも手を振ってくれる巴さんとなだめる2人の背中を見送った。
お店もきっと予約してくれただろうし、早く行かないとな。
荷物を持って早歩きで副所長室に向かった。
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副所長室の近くの休憩所に着くと、そこには見慣れたピンクの髪をくしゃ、とかきあげて、ソファに座りながらコーヒーを飲み干す男性がいた。
「七種さん」
「!」
私が近付いたのに気づかなかったのか、持ってたからの紙コップをクシャリと潰し、立ち上がって「これはこれは」と呟いた。
「貴方も気配ないんですねえ。この間の仕返しですか?」
「あ、いや、驚かすつもりはなかったんですけど……!」
「はは、冗談です。」
少し口元を緩める七種さん。
その姿を見て、少しだけ、本当に少しだけ、心地よい感覚になった。
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斉藤ちく(プロフ) - ちびさん» コメントありがとうございます。とても励みになります!細々とですが続けていきたいです。ちび様もご自愛ください! (6月9日 19時) (レス) id: 43e5963b91 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく拝読しています。展開もドキドキワクワクで…とても楽しみにしております。雨が多く、ジメジメする時期ですが…ご自愛ください。これからも応援しています☆ (6月9日 7時) (レス) id: 190d57c004 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤ちく(プロフ) - あめみやさん» コメントありがとうございます。ツンデレ茨からしか摂取できない栄養、ありますよね…。 (6月8日 14時) (レス) id: 771595aedb (このIDを非表示/違反報告)
あめみや(プロフ) - ツンデレな茨もまた良き (6月5日 22時) (レス) @page37 id: a179dcb416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斉藤ちく | 作成日時:2023年5月4日 18時