20話 ページ20
次の日はいつもより少し早めに起きた。
朝ごはんを食べる気にもならず、私はスマホを触る。
動画サイトでセンラさんの歌ってみたを聞くという習慣が身に染みていたせいで、私に指は勝手に検索欄にセンラと打っていた。
どうせ、今聞いても涙が出るだけでしょ。
私は初めて朝センラさん以外の歌ってみたを聴きながら準備をした。
鏡を見ると、案の定そこには目が腫れたひどい顔を覗かせる私の顔があった。
会社へ行くと、もう2人のお姉さんはついていて、私の顔を見るなり、驚いた顔をしてこちらに早足で来た。
「Aちゃん、どうしたのその目!?」
「泣いたの?」
「先輩…」
私の声のトーンでどのくらいの大きさの出来事なのかお2人はわかったようで、休憩室行こう。と足を進めた。
「で、どうしたの?」
「実のは昨日、折原さんとお店を出たあと…」
それから私は昨日あったことを全て話した。
全部話すと、先輩は、そっか。辛かったね。と私の頭を撫でる。
私は折原さんがセンラさんということも話したためその様子だとお2人は折原さんのセンラさんとしての活動も知っているのだろう。
「だから、そんなに目が真っ赤なのか…おいで。」
そう言って先輩は腕を広げた。
「先輩ぃ〜」
私がそう言って抱きつくと、後ろの方からもう1人の先輩が抱きしめてくれた。
涙が出そうになるのをぐっと堪えていると休憩室のドアが開いた。
「お前らなにやってんの?」
「澤山、女子が悲しんでるところにつっかっかってくんな!」
キョトンとした顔でこちらを見るのは折原さんとお姉さん方と同期の澤山さん。うちの部署のいわゆるエースという人だ。
悲しんでるというワードを先輩がいうと澤山さんは困ったような目でこちらを見た。
「困ってるのはこっちもだ。誰か折原のあの様子止めてくれよ。」
え?折原さん?
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2022年6月6日 16時) (レス) @page29 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ハチミツ(プロフ) - もちさん» 返信遅くなっちゃってごめんなさい!リクエストありがとうございます!少々お待ちくださいね! (2019年10月2日 21時) (レス) id: 9c73988fd7 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - できたらその後の話が見たいです!お願いしますぅぅぅぅ((泣 (2019年9月28日 9時) (レス) id: cb8f9b9e68 (このIDを非表示/違反報告)
ハチミツ(プロフ) - 皇 惺羅@スメラギ葉無さん» コメントありがとうございます!頑張りますね (2019年9月10日 21時) (レス) id: 9c73988fd7 (このIDを非表示/違反報告)
皇 惺羅@スメラギ葉無(プロフ) - こういうお話好きです!頑張ってくださいね (2019年9月9日 20時) (レス) id: d3b39c4d26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハチミツ | 作成日時:2019年9月9日 14時