168話 ページ19
それからまた数日経った。
今、真冬くんと坂田さんと奏ちゃんは買い物に行ってる。
私も行こうと言おうとしたけど、良いよと言われて家で待たされる。
その時、インターホンが鳴る音が聞こえた。
誰だろ…そう思ってドアを開けると、奏ちゃんの親が居た。
「奏は?」
『今いらっしゃいませんけど?』
「嘘を言いらっしゃい!!!」
いや、本当の事なんだけど。
だけど、一向に出て来ない様子を見ると舌打ちをして私を睨んだ。
「……まぁ、良いわ。いつかエレンさんとはお話したいと思ってましたの」
奏ちゃんのお母様はニッコリとお手本のような笑顔だけど、目は笑ってない。
それにしても…やっぱり奏ちゃんの親なんだな…お母様一応美人の部類に入るくらい整っている顔をしてる。
美人が怒ると迫力が凄いなぁ…。と見当違いな事を思った。
『…ふふ、私も話したい事があったので丁度良かったです』
ニッコリとこちらもお手本のような笑みを浮かべる。
「……そろそろ化けの皮を剥がしてやるわよ…っ!
私達から奏を奪っといてよく平然としてられるわね!」
『奪った?それは違うと思うのですけど…。
正しく言い直すなら、"救った"だろ?なぁ?
この前も奏が言ったように、もう奏はお前らを見限って出て行ったんだよ。
お前ら、奏に勉強しかさせてねぇだろ?そんな事しかしない親にずっと従えって?
少なくともあたしは無理だ。
本当は実習生も仕組んだだろ?奏を心配してるフリをして家に連れ戻そうとした。違うか?
まぁ…上手くいかないようだったみたいだけどな』
そう言って嘲笑を浮かべると、直ぐ様頬を叩く音が響いた。
忘れてたけど、確か母親癇癪持ちだったな…。
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