broken emotion IV (ページ8)

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156《arioka》ページ8

？「…交渉決裂…か…」

有「お前らみたいな汚い大人に渡す金はない」

？「…汚い？」

有「この世で1番汚い」

この言葉は言うべきじゃなかった

男は目を見開いて叫んだ

？「人を助けるんだぞ！？どこが汚いんだ！」

有「そういう考えが腐ってんだよ！」

？「ふざけんな！」

激怒した男の手は真っ直ぐこちらに伸びてくる

有「…うっ……」

仲「ちょっとあなた！」

俺の首に手を回した男の力はどんどん強くなる

有「…あ………う………うっ……」

俺はこんな奴に殺されるのか？

また、誘拐犯に命をとられるのか？

俺の運命って誘拐犯に殺される事なのか？

息ができない…

苦しい…

誰か…助けて……

「今すぐ手を離しなさい」

？「うるせえ！」

「弾丸をあんたの脳にぶち込むけどそれでいいの？」

？「…え、、」

有「ゲホッゲホッ…ゴホッ」

意識がなくなる前に離れた手

手の主の頭には銃が突きつけられている

「大ちゃん、大丈夫？」

Aちゃんだ

ずっと咳をしてる俺を心配そうな目で見ている

俺はしっかりと頷いて大丈夫だと伝える

「…人殺し」

？「お前…さっきの…」

Aちゃんの後ろには仲基有里那が真っ青な顔で立っている

？「何なんだお前は！」

「あんたに答えるわけないじゃない。人殺しが」

？「俺は殺してなんかねぇだろ！」

「私が止めなかったら殺してたでしょうが」

Aちゃんは怒ってる

本気で弾を脳にぶち込もうとしてる

「息子さんが身代金で助かったところで、あなた達が捕まってたんじゃその子が可哀想でしょ！
何も知らない中に1人ほっぽり出される側の気持ちも考えなさいよ！」

？「捕まんなきゃいいんだろ！」

「つかまるにきまってんでしょ！馬鹿なの？」

怒っているAちゃんはいつもと違う乱暴な口調で男に叫ぶ

だから後ろにいる仲基有里那が包丁を持っているなんて気づいていない…

仲「…どいて！」

「…私を殺して本物の人殺しになるんですか？」

仲「お願い！どいて！」

Aちゃんはどこうとしなかった

有「A…ちゃん…ど…いて…」

「嫌」

仲基有里那の後ろに知念がいるのが見えた

銃を構えている

仲「私を撃つならどうぞ！そんなことしたら息子は死にます！そしたらあなたがたが人殺しになるのよ！」

知念は構えている銃を下ろした

知「Aちゃん…どいて…」

知念の声と同時に仲基有里那が走り出した

真っ直ぐAちゃんの方に…