8冊目 ページ9
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常日頃から見慣れた六畳一間の寝室とは反対に落ち着かないキングサイズのベット、部屋の前方に位置する机でさえ数十万円から下手にいけば数百万円しそうで末恐ろしい。
驚愕のデカさに感嘆の息を漏らし、ドアノブを引いて一旦部屋から出たのは言うまでもなく
何なら小一時間ぐらい鶴蝶さんを問い質した後、ブチ切れられて無理矢理室内に押し込まれたのがつい先程の事。
自室のシャワーを浴びようとすれば、いやはやまた無駄に広い浴槽と同人誌や海外ニキネキの動画でしか見た経験のないシャワーヘッド
誰だ、こんな状況に追い込まれるまで状況を悪化させた奴……僕だ。
『単純に前の家が既に恋しい件について…
あいむほーむしっくなう、いえあ』
何故か小さい冷蔵庫の中に入っていたチューブタイプの柚子を湯船にぶち混み
簡易的な柚子湯を作った上で、イケメンの顔面とカラコンを耐え切った眼球や心に更なる追い打ちをかけるべく顔ごと浴槽の底に潜る。
『ぶッ、っは
ゲホッゲホッ…はは、まぁそうなりますよね〜』
と言えども、鼻腔奥深くへと侵入してくるのは流石に想定していなかったが。
湯水どころか自己嫌悪の波に呑まれ、疲れた両手で自身の草臥れた顔面を覆う
浴室の姿見で自分の表情を確認すれば、疲弊はしているもののやはり整った造形の儘。
傍から見たら唯のナルシスト、自分でもそう感じるが綺麗なものは綺麗で間違いないのだから仕方ないとは思わないだろうか。
結局皆、最初から美しいものしか認めてくれない。
『フラッシュバックって、もう20年以上前のコトなのになぁ…』
浮き足立っているから昔の事を急に思い出すのだろうか、多分…いや絶対そうだ。
ようやっと両目の瞳孔がまともに焦点を結ぶ頃には湯けむる風呂場から抜け出して、何時の間にか常備されていた寝間着に袖を通す。
持って来てくれたのは誰かなんて今更考えない、考えたところで梵天幹部の内1人の部下というのが大体のオチだ。
濡れた髪でベットまでの道筋を駆け抜け
シーツの海に転がり込めば、肌に沿って滑らかに触れ合う布と頬。
久方振りの就寝に心躍るが、あくまで此処は反社のアジト
安眠が約束されるかどうかは分からない、だけど
『生きててよかった〜
それもこれも関東卍會と2代目東京卍會以降を描かなかったお陰だわな、絶対』
それより前に未来編三途と灰谷達のキメセク話、支部に上げるの我慢してホント良かった
マジ命拾いした…。
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わいt - いつになったら更新してくれるんですか!楽しみすぎて死ぬって!! (7月27日 22時) (レス) @page35 id: 258f12dfbe (このIDを非表示/違反報告)
乾燥(プロフ) - くっ...好みすぎて...ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ無理しない程度に毎秒更新待ってますぬ... (2023年1月1日 18時) (レス) @page35 id: c00320f8c9 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 莉夢#梵天の信者さん» ありがとうございます!あわわ、神がおるww貴方様の作品も本当に大好きです。 (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 雪の兎さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります(*^^*) (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
莉夢#梵天の信者(プロフ) - あぁ、、、好きです、、、(*‘ω‘ *)最高。 (2022年9月24日 16時) (レス) @page19 id: 9e38cf74ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝ん子 | 作成日時:2022年9月14日 7時