12冊目 ページ13
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余りの非常識でぶっ飛んだ言動に、素っ頓狂な声を上げて彼の右頬にビンタをかましたのは言わずもがな分かる通りで
何事にも限度がある、と異議申し立てたのがつい先程。
粗方小さくなった飴をある程度口の中で転がした後に噛み砕くも、ニヤニヤと此方を見詰める視線が痛いほど伝わってきて最早胸焼けがする。
『な、なに』
「ん…いーや、何でも?」
問うてみても求めた応えは誤魔化されて有耶無耶にされた上に疑問符付き。
今更何を言っても屁理屈の速贄と化すので二の句を継げる事すら叶わないが、どういった経緯であれ突然キスするなんて普通に考えて可笑しい。
大体
同人誌のネタにしていた相手にべろちゅーされた時の対処法なんて僕は知らない、分かりたくもなかった。
意を決して顔を上げてもニヤケ顔の彼、その作為的な笑みは倫理観ぶっ壊れた兄ちゃんにでも見してあげな
喜ばれるよと小学校宛らのクソゆる課題を脳内で叩き付けては、両手で唇を覆って警戒の姿勢を取る。
『お、おれおとこ…なんですケド』
「奇遇だな、俺もだよ
てか慣れてないんだな、男同士のあんな本描いてる癖に」
何でと聞いていた筈なのに、気付けば独断と偏見の入り混じった壇上に無理矢理立たされ
まるで辱める様な視線で顔をジロジロとみられて、剰え口元を隠す両手に至っては筋張った掌で翻されてしまった。
「兄ちゃ、…兄貴達相手でもビビらない様に慣れさせてやってんの
イメクラとかでも新規の店員がよくやられてるだろ」
『いや、知らないんだけど』
衝撃の新常識に面喰って戸惑いつつ、原動力となった行動心理に探りを入れ
幾らか押し問答を繰り返すと運良くヒット。
どうやら、僕は梵天の構成員にケツを狙われている()らしい…。
「ハニトラ要員も居るけど大体が男所帯、
自分より断然か弱い男がそこに入り込んで来たら逆ハー状態になるのも時間の問題かもな。」
『…同人誌か』
不満を吐露し、長年連れ添った部屋の床にへたり込めば静かに方へと手が置かれた。
慰めてくれるのかと勝手に期待して、絶望で歪んで潤む瞳を彼に向けるが。
「そんな事よりか、とっとと必要な荷物取って来い
山に埋めんゾ」
拝啓前世の僕へ、お前の推しはちゃんと反社だったわ
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わいt - いつになったら更新してくれるんですか!楽しみすぎて死ぬって!! (7月27日 22時) (レス) @page35 id: 258f12dfbe (このIDを非表示/違反報告)
乾燥(プロフ) - くっ...好みすぎて...ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ無理しない程度に毎秒更新待ってますぬ... (2023年1月1日 18時) (レス) @page35 id: c00320f8c9 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 莉夢#梵天の信者さん» ありがとうございます!あわわ、神がおるww貴方様の作品も本当に大好きです。 (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 雪の兎さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります(*^^*) (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
莉夢#梵天の信者(プロフ) - あぁ、、、好きです、、、(*‘ω‘ *)最高。 (2022年9月24日 16時) (レス) @page19 id: 9e38cf74ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝ん子 | 作成日時:2022年9月14日 7時