氷兎-117+ ページ24
昔の自分と思われる少女は、腰かそれ以上あると思われる長い髪を二つに分け、下の方で輪をつくり、赤いリボンでおさげにしていた。
上半身には黄土色のブレザーを着ており、下半身には黒に深緑色のラインが入った長いスカートと、肌が全く見えない黒いタイツを履いていた。
後ろ姿なので確定はできないが、おそらく自分だ。
背をこちらに向けているので断定できるものは少し限られていた。だが、私と思える特徴を目の前の少女は持っていた。
こちらから見てだが、眼鏡をかけているようには見えない。それに首に包帯も巻いていない。
だが、ちらりと見えるものが私を確信へと導く。
耳にかかっている白い紐ゴム。―…おそらく眼帯をつけているからでしょう。
そして、
仄かに赤みがかかった銀色の髪が何よりの証拠だった。
体は向こうの方へと向いており、私からは背中しか見えないので顔が伺えない。
もう少しで見えるというところだ。もう少し近づこうと思ったが、見つかるのは不味いかと思い曲がり角に隠れていた。
なんとなくこれが現実ではなく、虚妄の世界だということは分かっていた。自分の存在感がないこも既知していた。
だから私が近づいたって問題はほとんどないはずだった。
だが私は、近づく気は全くなかった。
私は『私らしき私』と先輩だった人とのやり取りをただ傍観するだけだ。
『先輩つけて呼べとあれほど言うてるっちゅーのに…』
『すみません。慣れていないので…』
『まあ、ええよ。部活についてなんやけど…次の相手が強いんや。【アイツ】の教室で作戦組まへんか？』
『どうせ強制なんでしょう？別にいいですよ』
―…これが、私なんですね。
―…人と関わりがあるなんて思いもしませんでした。
しばらくその場を凝視しようと、彼らの後ろで佇む。
刹那、黒いノイズがざざざ、と走り、まるで古いテレビがダビングされたかのように場所が切り替わった。
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霧芽 栞(プロフ) - 藍華さん» コメントありがとうございます！この夢主ちゃんは結構考えて作ったのでそう言ってもらえて嬉しいです！更新頑張ります！ 誤字・・・恥ずかしいです。ご指摘ありがとうございます！ (2015年1月1日 15時) (
レス) id: a7aa7963e8 (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - すごく面白いです。設定ブレしないところとか尊敬します…！更新頑張って下さい！あと、失礼かとは思いますが…半ば(なかば)がはんばになってますよ！ (2014年12月30日 20時) (レス) id: a2cd4c3dee (このIDを非表示/違反報告)
霧芽 栞(プロフ) - ギアさん» 楽しみだなんてありがたいお言葉ありがとうございますっ！！もっとおもしろく表現豊かになるように精進しますヽ(・∀・)ノ (2014年12月10日 19時) (レス) id: a7aa7963e8 (このIDを非表示/違反報告)
霧芽 栞(プロフ) - 瑠璃音さん» 入り込んでもらえて嬉しいです！(*´∀｀*)こういう夢主ちゃん書きたかったんです。少しずつ変わっていく夢主ちゃんを見ていただければなあ、と思います！ (2014年12月10日 19時) (レス) id: a7aa7963e8 (このIDを非表示/違反報告)
ギア - とても面白いです。更新頑張ってください。楽しみに待ってます！ (2014年12月9日 22時) (レス) id: d4a7c15fe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧芽 栞 | 作成日時：2014年10月19日 21時
