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氷兎-110 ページ17

――……最悪です…!



Aの目の前には懐かしい中学の先輩、今吉翔一がいた。
__が、出会いを懐かしんでる暇はない。
この自体は彼女にとって最悪の事態だ。
なぜなら、記憶失った原因と思われる人物が目の前にいるからだ。


今、Aには彼<今吉先輩>がどういう人物かわからない。
一緒にいた先輩だからと言って、本当に親しかったのかは覚えていない。
今思い出している記憶は上辺だけのものという可能性もある。

もしかしたら良い人かもしれない。しかし、悪い人という可能性も否めない。
もし後者だとしたら、記憶のない自分を利用されるかもしれない。

頭に警告が響き渡り、痛みは増す。
汗がドバッと吹き出て、額から頬へと雫がつたう。




「なあ、自分Aやろ?今までどこへ行ってたんや?」



「…すみませんが、あなたの事はご存知ありません」




ヒヤリとする冷たい感触を前に、Aは少しずつ後ずさる。
だが、今吉も一歩一歩近づいてくる。男と女の体格は違うため今吉の一歩は大きくAの一歩は小さい。
そのため、彼と彼女の距離は少しずつ縮まっていた。




「嘘つくなや。大事な可愛い後輩なんやからそれくらいわかるで?___まさか、その程度で出し抜いたつもりかいな?」



「――ッ」



「なあ、A。なんで何も言わず転校したん?『アイツ』がすごく心配しとったで?」






『あ?ここはこうやんだよ』






――思い出すな





「もちろん、ワシも心配したんや。なんたって可愛がっている後輩の一人なんやからな」






『まさか___がこんなのと___』





――おもいだすな





「後から分かったんやけど…自分、嫌がらせを受けとったらしいな。なんで言わなかったんや?」






『早く失せろよバケモノ!!』





―――オモイダスナ!!






目頭が熱を帯び、何か溢れそうになっている時―――救世主はやってきた。



「なあ、A___「藍野さん!!」



ゼェゼェと息切れをしながら走ってきたのは影の薄い彼―――黒子テツヤ。
そして、黒子の前方にテツヤ二号。



黒子はAを守るかのように今吉の前に立った。

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設定タグ:黒子のバスケ , 黒バス   
作品ジャンル:アニメ
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霧芽 栞(プロフ) - 藍華さん» コメントありがとうございます!この夢主ちゃんは結構考えて作ったのでそう言ってもらえて嬉しいです!更新頑張ります! 誤字・・・恥ずかしいです。ご指摘ありがとうございます! (2015年1月1日 15時) (レス) id: a7aa7963e8 (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - すごく面白いです。設定ブレしないところとか尊敬します…!更新頑張って下さい!あと、失礼かとは思いますが…半ば(なかば)がはんばになってますよ! (2014年12月30日 20時) (レス) id: a2cd4c3dee (このIDを非表示/違反報告)
霧芽 栞(プロフ) - ギアさん» 楽しみだなんてありがたいお言葉ありがとうございますっ!!もっとおもしろく表現豊かになるように精進しますヽ(・∀・)ノ (2014年12月10日 19時) (レス) id: a7aa7963e8 (このIDを非表示/違反報告)
霧芽 栞(プロフ) - 瑠璃音さん» 入り込んでもらえて嬉しいです!(*´∀`*)こういう夢主ちゃん書きたかったんです。少しずつ変わっていく夢主ちゃんを見ていただければなあ、と思います! (2014年12月10日 19時) (レス) id: a7aa7963e8 (このIDを非表示/違反報告)
ギア - とても面白いです。更新頑張ってください。楽しみに待ってます! (2014年12月9日 22時) (レス) id: d4a7c15fe4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霧芽 栞 | 作成日時:2014年10月19日 21時

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