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氷兎-107 ページ14

***






「今さ、今吉がこっち見てなかったか?」



小金井は猫目を見開き、水戸部がこくこくと頷く。
リコたちもそう見えたようで、驚いたような、焦ったような表情をしている。



「いやでも…バレたとは限らないですよね?」



「いや、今吉さんは表情から心情を読み取るのを得意とする___そうよね?…だからバレててもおかしくないわよ?」




降旗は三角眼を困ったように下げながら言った。
確かに、たまたま観客席で誠凛を見つけ、社交辞令として笑顔を向けたのかもしれない。
だが、あの寒気のするような、嫌な予感を漂わせる笑顔。完全に不安は拭えなかった。
いや、不安だけでもなく可能性も拭えきれていなかった。
それを、リコの言葉がさらに加速させる。




「そういえば…今吉先輩は私だけ悟れないって言ってました」


「それなら安心――「じゃないわよ!!」




突然耳に響く声を出すリコに小金井はビクッとし、1年たちは『え?』という声を出した。
Aも気づいていないようで、首を傾げている。
頭の回る一部は“それ”に気づき、顔を引きつらせた。
事情を知らない木吉はただ呆然として皆を見て、何が起こり、何に慌てているのか分からないような顔をしていた。




「今吉さんは表情から心情を読み取れるけどAちゃんだけ読み取れない。―――つまり、悟れない=Aちゃんっていう式が成り立つわよね?」




そこまで言ってやっとAたちは理解した。




「悟れないのは藍野さんだけだから変装をしても必ずわかる、っていう事ですね」



「そういうことね」




黒子が確信したように呟き、リコはそれを肯定した。
可能性は確定したものに代わる。
今吉は、Aの正体を見つけたという事実に。




「ど、どーするんだよっ!」


「…別に良くないか?トラブルがあったとは限らないんだろ?」

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設定タグ:黒子のバスケ , 黒バス   
作品ジャンル:アニメ
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霧芽 栞(プロフ) - 藍華さん» コメントありがとうございます!この夢主ちゃんは結構考えて作ったのでそう言ってもらえて嬉しいです!更新頑張ります! 誤字・・・恥ずかしいです。ご指摘ありがとうございます! (2015年1月1日 15時) (レス) id: a7aa7963e8 (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - すごく面白いです。設定ブレしないところとか尊敬します…!更新頑張って下さい!あと、失礼かとは思いますが…半ば(なかば)がはんばになってますよ! (2014年12月30日 20時) (レス) id: a2cd4c3dee (このIDを非表示/違反報告)
霧芽 栞(プロフ) - ギアさん» 楽しみだなんてありがたいお言葉ありがとうございますっ!!もっとおもしろく表現豊かになるように精進しますヽ(・∀・)ノ (2014年12月10日 19時) (レス) id: a7aa7963e8 (このIDを非表示/違反報告)
霧芽 栞(プロフ) - 瑠璃音さん» 入り込んでもらえて嬉しいです!(*´∀`*)こういう夢主ちゃん書きたかったんです。少しずつ変わっていく夢主ちゃんを見ていただければなあ、と思います! (2014年12月10日 19時) (レス) id: a7aa7963e8 (このIDを非表示/違反報告)
ギア - とても面白いです。更新頑張ってください。楽しみに待ってます! (2014年12月9日 22時) (レス) id: d4a7c15fe4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霧芽 栞 | 作成日時:2014年10月19日 21時

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