かまってちゃんとかまって君 【luz】

心配 ページ17

「あー、やっぱうめぇわ。」









「ポテトサラダの作り方聞こ。」









恐らく食べ終わったであろう、空になったお皿を取りに行く。









「あ、すんません。」









肌の白い男性がお皿を差し出してきてくれた。









「ありがとうございます。」









「ねぇ、さっきから気になってたんだけどさ、ここの店1人でやってんの？」









「そうですよ！」









そういえば、同じようなこと聞かれたなぁ。









なんて。









「お姉さん？」









「はい！？」









「ボーッとしてたけど大丈夫？」









「すみません…。」









お客様に心配してもらうなんて、きっと父は知ったら怒るんだろうな。









この店は、元々ホテルシェフだった父の店だった。









私が中学生だったある日、部活帰りに帰路を歩いていた時だった。









食材にこだわっていた父は毎日知り合いの農家へ出かけて新鮮な野菜を買っていた。









父はどうやら、知り合いの農家から帰ってくる途中で飲酒運転で交通事故にあったらしい。









本当にあっという間だった。









母は私が産まれてすぐに病気で亡くなった。









父の葬式には多くの店の常連が来た。









因みにいつぞやにビールを頼んでいたおっちゃんもだ。









父の亡くなった姿を見て、常連は皆、









「お前の料理をまた食べたい」









と、口々に言う。









私は、父の三回忌の時、この店を継ぐことに決めた。

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